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ひょっとして、あなたは顎関節症?
実はこんな症状、ありませんか?
■歯ぎしりやかみしめがある。
■顎(あご)のまわりの筋肉が痛みを感じたり、硬直している。
■頭痛や首の痛みがしばしば起きる。また、かみしめた時痛みが増す。
■ストレスによりあなたのかみしめや痛みが一層増す。
■口を開いたときパキンと鳴ったり、ギシギシしたり、口が開きにくい。
■他の関節に関節症のような問題がある。
■かみしめた時長くかんでいられない。
■時々歯のかみ合わせが変わりますか
■前歯でかみしめたり、引き裂いたりする事がむずかしい。
■歯が過敏だったり、動いたり、割れたり、すり減る。
この中の症状でいくつかあてはまるところがあったら、顎関節症である可能性が高いです。顎関節症はさまざまな症状として現れるため、それが顎からきているのかどうかわからないことがほとんどです。
顎関節症の症状
顎関節症の治療法はその原因によって、いろいろな方法があります。
まずはその原因がどこなのか、くわしく調べるところからはじまります。
入れ歯が原因の、顎関節症
「顎が大きくひらけない」「顎の関節付近が痛い」という症状を訴える患者さまがいらっしゃいます。さらに詳しい問診をすると、
●「肩がこる」
●「腰が痛い」
●「手足がしびれる」
●「耳鳴りがする」
●「偏頭痛がひどい」
というような症状をもつ中高年の患者さまが増えてきています。これは顎関節症と言われる症状です。
顎付近の痛みを訴えたり、口がひらかない、顎のあたりでパキン、ジョリジョリ、コッキン、という音がするといったものです。顎関節症というと20代から30代に多い疾患とされてきましたが、若い人の場合は歯並びが悪い、親知らずによる噛み合わせのバランスが悪いことによって起こります。
しかし中高年からの顎関節症の原因は、歯にかぶせてある銀歯や詰め物、とくに入れ歯によるかみ合わせのバランスがあっていないことが原因です。
入れ歯をお使いの方で、上記のような症状がある方はご相談ください。噛み合わせを改善して不快な症状を改善しましょう。
入れ歯が原因による顎関節症の症例
右側の顎の痛み、お口がまっすぐ開けられないということで来院されました。
【開口時の状態】
正面から見て顎を開けると左側にずれているのがわかります。
【入れ歯の状態】
入れ歯を見ると、右側に比べて左側の歯が異常にすり減っているのがわかります。
顎(あご)関節のレントゲン写真をとってみました。左側の間接円板が前にずれてしまって機能していない、と診断しました。
入れ歯を作りなおす前の治療法として、以前作った入れ歯を複製し、下顎頭を下げて、顎がスムーズに動くように、右側の噛み合わせを2ミリあげました。その複製入れ歯でまっすぐお口が開けられるのを確認し、顎の痛みもとれたため、新しく入れ歯を作りなおすことになりました。
上下顎同時印象法により、稲葉式総入れ歯の型をとります。
⇒上下顎同時印象法による、総入れ歯とは?
かみ合わせの器械はKAVOProtar咬合器のPDRInsertを用い、下顎頭を下方に下げ、顎がスムーズに動くようになるように調整しました。
顎機能検査、CADIACSを使って、PDRインサートを0にした時、PDRインサートを2ミリにした時のグラフで右の顎が2ミリ下がっていることを確認し、入れ歯を完成させました。
完成した入れ歯によって、顎の痛みはすっかり良くなり、お口もまっすぐ開けることができるようになりました。
この治療法は入れ歯で顎関節が動くように誘導させるものです。この症例は、稲葉繁先生のもので、非常に高度な知識が必要です。長い間、合っていない入れ歯を使っていると、入れ歯による顎関節症を引き起こすことが十分考えられます。
顎関節症の治療の流れ(実際の症例より)
初診時のカウンセリングにて、口があかない、口を開けると痛い。右の顎がパキンと音がする。常に右の耳の前が気になり、仕事に差し支えがある、という事をお話されました。
一見、お口の中はよく治されています。 右はお口の中のレントゲン写真です。奥歯に被せものや詰め物が多く目立ちますが、顎の形には問題はありませんでした。
ドップラーの聴診器にて、顎関節の音を診査。顎を開けるときに音がするのか、閉じるときに音がするのか、それはどんな音なのかなどを聞きます。この患者さんの場合は、開けた時に右の関節からパッキンという音が聞こえ、顎を開ける時もまっすぐ開けることができませんでした。
2回目の来院時に模型による診断を行います。上下の型取りをして石膏をついで模型をきれいにトリミングしたところです。
それを咬合器という顎と同じうごきができる模型に装着します。顎の動きは人によって、その角度も違います。とくに歯ぎしりするときは顎は回転したり、左右、前後に動いたり、非常に複雑です。顎関節症の患者さまは、このレベルまでしっかり診断する必要があります。
これはフェイスボートランスファーという、上顎の模型を咬合器に付着させるためのもので、体の正中と噛み合わせの平面が垂直であるかどうかを調べます。つめものや被せものひとつ作る場合もフェイスボートランスファーは重要です。
このようにして記録したものを咬合器に移したところです。体の正中(咬合器の正中)と歯の噛み合わせの関係がしっかり移されています。
上下の噛み合わせはただ、合うところで噛めばいいというわけではありません。中心位という(顎が本来一番リラックスしている位置)記録をとって上下の歯を付着します。
そして、顎のリラックスしている位置と、実際かんでいる位置にズレがないかどうか調べます。この患者さまの場合、ほとんどが修復(治してある)つめものや、かぶせものが原因でした。この模型診断はとても重要で、たくさんのことがわかります。この診断方法を学ぶのには高度な技術が必要です。(IPSG包括歯科医療研究会)
歯の形にはたくさんの溝がかくれています。これは適当な溝ではなくて、きちんとルールのある溝です。
3回目の来院時には、顎の動きを3次元的に記録する、顎機能検査を行います。治療前、治療後の顎の動きがどのように変化するのか記録します。
4回目の来院のときは、場合によってはスプリント療法をしたり、家庭療法についての指導をしたりします。この患者さまの場合は、原因が、つめものや被せもののかみ合わせのバランスが合っていないことがわかったので、咬合調整をしました。
咬合調整は様子を見ながら1回から3回程度行います。
調整後、右の顎関節のパキンという音は消えました。口もまっすぐ開けることができるようになり、痛みもなくなりました。左の写真では顎はほとんど動いていなかったのがわかります。調整後、右の写真では、顎が大きく動いて、開くことができたのがわかります。
患者さまもとても喜ばれて、今まで、仕事による疲れだと思っていたそうですが、元気よく仕事に復帰されました。
※顎関節症の治療は、保険治療がききませんので、初診をご希望の方はカウンセリング料金として、10,500円いただいております。
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