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2017年1月13日

海外にお住まい方で何より心配な事は医療関係だとお聞きします。

やはり、ご自身の体の事は、いくら海外の生活に慣れ親しんでいるとはいえ、歯科治療は、日本語で受けたいものです。

・遠方なので、頻繁に通う事ができないため、短期間で集中して治療をお願いしたいと思います。一度の治療時間を長くしていただくことはできるのでしょうか。(イギリス在住)

・義歯をこちらで作ってもらいましたが、痛いのと話辛さからネット検索の結果、貴院を知りました。日本滞在期間が非常に短期間のため、今使用の義歯を改良していただくか、最善、最短の義歯を作っていただくか、ご相談したく存じます。(オーストラリア在住)

稲葉歯科医院に来院される患者様のほとんどは、遠方からいらっしゃるため、少ない回数で一度の時間を長く効率よく診療を勧めることに務めて参りました。

その、きっかけとなったのは・・・

ドイツチュービンゲン大学、Prof.Dr.Heiner Weber 教授の講演を聞かせていただき、大変衝撃を受けた事によります。

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講演のテーマは

「インプラントを治療するにあたり、患者様のストレスをいかにして、最小限にするか」

インプラントとドイツの義歯テレスコープシステムを応用した内容でした。

予約の数をなるべく少なくして、不快感をなくす。

そして、外科的な侵襲をできるだけ減らすために、シンプルな方法で治療をする。

驚いたのは、Weber教授の患者様は世界中から集まっていたことです。

ロシアの政治家、ギリシャの政治家など、それぞれとてもお忙しい方なので、できるだけ訪問を少なくする必要があるということでした。

シベリアやギリシャから飛行機で飛んでくるので時間管理も大変なため、予約はできるだけ少なく、そして、お二人が気にされたのは、目立たなくしてほしいということだったそうです。

施術時間は、平均12時間、5回の訪問で完成まで進んだということです。

全体の治療時間は4ヶ月ということでした。

インプラント治療や、テレスコープシステムは、少なくとも4回から5回の来院が必要です。

なぜなら、治療と治療の間に技工作業があり、トータルで少なくとも160時間必要とされます。

稲葉歯科医院で治療をされる海外在住の患者様の治療回数、時間の目安をお伝えしたいと思います。

まずは、メールでご相談をさせていただきます。

患者様の口の中の情報をお聞かせいただき、治療方法、費用についてもある程度具体的にお伝えいたします。

患者様とのメールのやり取りは、数回から10回程度となります。

①ご帰国、初めての来院

帰国して早い段階で、来院していただき、治療を行うための資料をとらせていただきます。

抜歯が必要な場合は、できるだけ早い段階で行い、数回に分けて、型とりができるように準備を整えます。

レジリエンツテレスコープ治療などで、仮義歯が必要な場合は、この最初の帰国の際に、仮義歯の装着まで行いたいと思います。

↓↓↓ 製作に3週間から1ヶ月ほどいただきます。

②2度目の来院

内冠という歯に被せる歯が出来上がってきます。適合のチェックを行い外冠の精密な型とりを行います。(治療時間2時間から3時間)

↓↓↓ 製作に3週間から1ヶ月ほどいただきます。

③3度目の来院

完成一歩手前、試適という段階で、歯の見え方、色、噛み合わせや適合などの細かいチェックを行います。(治療時間、約2時間)

↓↓↓ 製作に3週間から1ヶ月ほどいただきます。

④4度目の来院

いよいよ完成です!(治療時間2時間から3時間)

・・・・・・・・・・・・・

①の型とりをする準備に数回かかりますが、型とりが始まれば、ほとんど予定通り順調に進みます。

入れ歯治療の場合、通常の虫歯治療に比べて1度で修了することができませんが、できる限り患者様のご予定に合わせて集中して治療させていただきたいと思います。






2017年1月 6日

明けましておめでとうございます♪

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です!

新しい年を迎えたワクワク感、持続させてたいですね(^_<)-☆

今年初めてのトピックとして・・・

この数年、海外在住の日本人の患者様からご相談を受ける事が多くなりました。

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・海外で歯科治療を受けるのってとても怖くて勇気がいるのです。ドクターが専門ごとに分かれていて、あちらこちらに回されるので不安も大きいんです。(ハワイ在住)

・こちらに来て一番心配だった事は医療関係です。特に歯科治療に関しては、日本語で説明を受けて相談をさせていただきたいと思います。(イギリス在住)

・虫歯だとすぐに抜かれてしまうんです・・・。しかも、間違えて違う歯を抜いてしまう事もしばしばあり、怖くて歯医者には行けません!(インドネシア在住)

・海外勤務7年となりますが、その間、歯医者には一番悩まされます。インプラントばかり勧められるのですが、自分にはインプラントが良いのか入れ歯が良いのか、日本語で説明を受けたい。(シンガポール在住)

・歯が悪い事はよく分かっているのですが、「これは、ひどい」と注意をされたら、恐ろしくて行けなくなってしまいました。(韓国在住)

・今すぐにでも治療に行かなくてはならない状態ですが、子供の頃からの心理的なトラウマが強くあり、日本で治療を受けたいと思っています。(イギリス在住)

・現地の歯医者で総入れ歯を作ってもらったのですが、安定剤をつけていないと、食事中に外れてしまいます。日本に一時帰国する予定があり、3日間で完成する総入れ歯がある事を知り、お願いしたいと思っています。(チリ在住)

・こちらで義歯を作りましたが、痛くて噛めず、話しづらいです。 ネットで調べ、ドイツの入れ歯を知りました。帰国時に相談をお願いしたいと思います。(オーストラリア在住)

・遠方なので、頻繁に通う事ができないため、短期間で集中して治療をお願いしたいと思います。一度の治療時間を長くしていただくことはできるのでしょうか。(イギリス在住)

海外にお住まい方で何より心配な事は医療関係だとお聞きします。

やはり、ご自身の体の事は、いくら海外の生活に慣れ親しんでいるとはいえ、歯科治療は、日本語で受けたいものです。

今迄も、シンガポール、韓国、フィリピンなど海外在住の患者様が、海外での治療に不安を感じご相談に訪れることがあり、テレスコープシステム、シュトラックデンチャーで治療をさせていただき、大変喜んでいただいております。

小さな虫歯治療でしたら、それぞれの国の歯科医院で治療しても問題ないと思います。

しかし、患者様の歯の状態が、全体的にお悩みがあり、またインプラント治療と悩んでいらっしゃる方は、海外の歯科治療において大変不安な気持ちで過ごしだと思います。

歯科治療は、その方の人格や人生をも変えてしまう威力を持っています。

不安から解消されずに、ずっと引っ込み思案で過ごして行くのか、笑顔を作ることにより人生を勝ち得ることができるか、大きな分かれ道となるでしょう。

稲葉歯科医院では、短期集中治療ができるように、海外からいらっしゃる患者様に対して様々な体勢を整えています。

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昨年より、ドイツの義歯を専門とするWeber dental labor を開設しました。

患者様の来院回数が少なくすむように、また質を落とす事なく、短期で治療ができるように技工士と連携をとれるようにしています。

治療の進め方についても、帰国前にご相談をさせていただいております。

不安な事や治療後のメンテナンスについてもご相談をお引き受けしておりますので、どうぞお気軽にご相談いただきたいと思います。

ということで。

今年もどうぞよろしくお願いいたします(๑˃̵ᴗ˂̵)

2016年12月23日

The Longevity...IPSG Scientific Meeting 2016

トップバッターで発表された、稲葉歯科医院、小西浩介先生のプレゼンテーションを私がレポートさせていただきます(^_<)-☆

小西先生は、お父様がIPSG.VIP会員の小西良彦先生のご子息でいらっしゃいます。

卒後間もなくからIPSGのすべての研修、実習を受けられ、学びたいという姿勢と眼差しは目を見張る物がありました。

どうしても稲葉歯科医院に来て欲しくて、何度もお願いし、ようやく2年前から一緒にお仕事をさせていただくことができました。

彼はとても若いです。

だから、パワーがあります。

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「巨人の肩にのる矮人」

If I have seen further it is by standing on ye sholders of Giants.

〜私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。〜

私が色々な事を見渡たすことができるのは、稲葉繁先生の肩の上に、ちょこんと乗らせて頂けているからです。

と最初に有名なベルナールの一節を引用されました。

小西先生の謙虚な姿勢、いつも本当に感謝しています♪

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今回は、レジリエンツテレスコープ、カバーデンチャーを用いた少数残存はへの戦略的アプローチについて数症例発表していただきました。

「よく噛めない」

「インプラントは怖い」

「なんとか歯を残して欲しい」

という患者様、実は沢山いらっしゃいます。

一般的には、コーヌスクローネを思い浮かべると思いますが、私達にはもう一つの選択肢があります。

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1987年に日本で初めて稲葉繁先生が発表した、デックプロテーゼ、レジリエンツテレスコープです。

レジリエンツテレスコープは、外形はシュトラックデンチャーであるという捉え方から、上下顎同時印象法で行うと、たとえ経験が浅いとしても知識さえあれば結果がだすことができます。

デンチャースペースを丸ごと採れる画期的な方法だといつも感動しています。

人工歯が顎関節を誘導するって、素晴らしい発想だと思います。

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卒後間もなく、自分の将来について相談をしたところ・・・

「僕の真似をしなさい。」

稲葉先生からいただいた言葉を大切に実行しています。

と小西先生。

左の写真は、ディズニーランドの本物のミッキーマウス。

そして、右側は、適当に真似たミッキーマウス。

やはり結果は全く違うのです。

稲葉先生の教えを徹底的に真似る事がまず大切だと思います。

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小西先生の発表は、力強く、とても感激しました。

稲葉歯科医院の佐藤孝仁先生と共に、セミナーの講師としても活躍されています。

その恩恵として、沢山の若い歯科医師、歯科技工士達がドイツのテレスコープシステムに関心を寄せていただく機会を得たと思っています。


え〜っと。

ここからは、私のちょっとひとり事。

私は26歳で開業しました。

今だからこそ、言えるのですが、腕はありませんでした。笑

ですが、あまりにも一生懸命だったので患者様が私に投資してくださったのです。

患者様の期待に答えるために、本当に頑張ったと思います。

当時、17年前に私に投資してくださった方は、もう他人ではありません。笑

感謝の気持で一杯なのです。

歯科医師としてもそうです。

稲葉教授の娘だから・・・・

という言葉は学生時代から言われてきました。

ですが、8年間メールマガジンを毎週欠かさず配信し、先生方と技術や知識の共有をしてきて、自分なりに頑張って来たら、皆私を稲葉先生とは独立した「ゆりこ先生」と見てくださるようになりました。

(ゆりこが、ひらがななのが気に入っています。(^_^))

若さは、時にハンディーとなるかもしれませんが、小西先生らしくこのまま進化し続けていただきたいと思います(^_<)-☆

小西先生も、今頑張りどころだと思います。

心から応援しています!



2016年12月13日

歯の具合が悪くなっているのはわかっていても、毎日の仕事が忙しく、なかなか歯科医院に通う時間がない。

という、50代60代の働き盛りの男性の方々から相談を受ける機会が多くあります。

応急処置で、近くの歯科医院で診療を受けているうちに更に悪化してしまったケースも少なくありません。

・会社でプレゼンテーションをする機会が多いのだけど、口元が気になって集中できない。

・大きな声で話しをすると、発音が上手くできないことがあり、困っている。

・会食が多いのに、食べる物を選んでしまう。

・クライアントに対して、ついつい口元を隠して、コミュニケーションをとってしまう。


という方、実は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

稲葉歯科医院では、一線で活躍されている、働き盛りの男性の方に対し、お仕事の効率が上がり、更に能力を最大限発揮できるような口元をご提案させていただきたいと思います。

当医院では諸外国の中でも入れ歯においてもっとも技術が進んでいるとされる、ドイツの入れ歯『テレスコープシステム』を取り入れています。

テレスコープシステムの入れ歯の歴史は1886年に始まり130年以上の歴史があります。

その間、ずっと改良、進化し続けて現代にいたっているため、非常に精密で、歴史のある入れ歯として高い評価を得ています。

一度作ったら、修理しながらずっと使うことが可能、費用はかかっても質の高い、長持ちのする治療を受ける、ドイツ人の考えから生まれたものです。

日本では合わなかったり壊れたりすると何度もつくりなおしをしますが、このドイツの入れ歯は一度作ったら、修理しながら長く使って頂く事が可能です。

ドイツの入れ歯、『テレスコープシステム』を製作するのは、ドイツ最先端技術を提供するWeber dental labor 歯科技工所、歯科技工士石川太一さん。

Weber dental labor GmbH

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機材はほとんどがドイツ製。

歯科医療において、ドイツの技術は非常に進んでおり、そんな世界の最先端技術を駆使し、患者様に安心して長く使っていただける入れ歯を作っています。

「私が作る義歯は、患者様それぞれの状態に合わせて一から作る、完全オーダーメードの義歯。それを実現するために素材にもこだわっています。日本に入って来ていないドイツの技術を患者様に提供させていただきたいと思います」

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「私は、歯科技工士とは、患者様の運命をも左右するような、重大な責任のある職業だと思っています。 物をかむという体への健康面もさることながら、歯が良くなることで長年に渡るコンプレックスを解消できるという、精神面のサポートもできます。」

歯の事が頭から離れ、笑顔でプレゼンテーションを行う事ができれば、あなたの能力は最大限に発揮され、次のステージに進むことができるでしょう。

無意識に感じていた歯の悩みから解放されると、仕事の効率も更にはパフォーマンスも上がると思います。

一線で活躍されている、50代60代のエグゼクティブな男性の方々に、ぜひおすすめしたいと思います。

テレスコープシステムとは


2016年11月14日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

先日、ISOI 国際口腔インプラント学会に参加させていただきました。

少し専門的ともなりますが、患者様にもお伝えしたい内容なのでぜひ読んで頂けたら嬉しく思います。

3年程前、ドイツTuebingen大学のWeber教授をIPSGの20周年記念講演会にお招きしたのをきっかけに、ISOIに参加させていただくようになりました♪

IPSG20周年記念特別講演会

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私は、ドイツの入れ歯テレスコープシステムを専門としていますが、インプラントの技術を把握することで、患者様へニュートラルに説明させていただくことができると思います。

実際に、相談にみえる患者様にインプラント治療をお勧めする事も数多くあります。

どうしてもインプラントができない方に対して、どのような理由でやめた方が良いのか、きちんとお伝えする事もできます。

インプラント治療を行った、10年後、20年後の状態を予測する必要もあります。

患者様はインプラント治療ができないとなると、大変落ち込まれますが、私はインプラントにできなくて、テレスコープシステムにできること、決して諦める必要はなく、安全で、審美的にも優れ、患者様に合った方法を提案させていただくことができると思っております。

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Dr.Manfred Nilius

ヨーロッパ顎顔面審美歯科学会の会長でいらっしゃいます。

All on 4,6ってどうなのかなと思っていましたが、初めて素晴らしいと心から思いました。

なぜなら、重度の顎変形症の患者様の人生を変える事ができるからです。

患者様は、口元のために、仕事も雇ってもらえず、社会的生活に問題がありました。

広告を見て、先生の広告に気付いたそうです。

「自分の人格とパーソナリティーを変えたい」

って、誰もが期待するのではないでしょうか。

先生は、デジタルを用いて、顔貌をシュミレーションを行いました。

もの凄く、モチベーションがあがると思いますし、予測生があり、結果を再現することができるということに驚きました。

歯をすべて抜歯し、骨を切り、口蓋を広げ、All on 4.6で、美しい口元を作り上げたのです。

顔面インプラントそして、オトガイを作り、別人となりました。

まさに、デンタルリカバリー。

現在は、患者様Amazonで働いていらっしゃるとその後の成功も教えて頂きました。

私達は、患者様の人生、人格やパーソナリティーをも変えてしまうほど、責任ある仕事を担ってるのだなと改めて感じました。

このような、ケースにおいて、All on 4.6は威力を発揮させますが、通常の顔貌の方が、ご自身の歯を抜いてまで行う方法ではないと私は思います。

その前にできることをまずは、一緒に考えましょう。

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東京歯科大学病院長で、口腔外科の矢島安朝先生のお話は、すべてのドクターが聞く必要があると思う内容でした。

インプラント治療は、「歯科界における20世紀最大の発明」と言われているも関わらず、昨今インプラント関連の医療事故やマスメディアによるセンセーショナルな報道がされています。

すでに4人に1人が高齢者という超高齢社会の時代。

2040年には、2.8人に1人が、高齢者となります。

インプラント治療を行って、20年後どうなるのか。

ほとんどデータがありません。

インプラントを一旦行うと、再治療を伴う外科的な侵襲にずっと侵される事になるのです。

かなりリスクのある患者様に対しても、追加埋入をしないといけない状態にもなります。

高齢者は嚥下も困難になり、外傷も起こしやすくなり、全身疾患もあり、いわゆる多病となります。

私達、歯科医師の全身疾患に対するさらなる知識が求められるようになるでしょう。

全身疾患を理解し、臨床検査を読む事ができる歯科医師が、超高齢社会に求められてくると思います。

稲葉歯科医院が専門としている、ドイツのテレスコープシステム、シュトラックデンチャーの需要はこれから更に高まると痛感しました。

超高齢社会を迎えた今、質の高い義歯を求める方は、今まで以上に増えて行くと思いますし、私達歯科医師は、その準備をしておく必要があると思います。

ここからは、ランチタイム♪

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DGZIドイツ流に、ワインが振る舞われました。

ドイツ人はワインぐらいじゃ酔いません。笑

IDSもそうですものね!

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日本酒もありましたよ!

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ドイツ料理のビュッフェ、とても美味しい!

斬新な学会ですね(^_<)-☆

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ただ、お弁当を食べるだけではなく、会話を楽しむ。

って、IPSGでもぜひ取入れたいなぁ〜

参考になりました!

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午後はシンガポールからのゲスト、Dr. Henry Kwek SN.

前日のパーティーで少しお話しをさせていただき、明日の講演楽しみにしています!

と伝えたのですが、私の知識ではなかなか理解できませんでした(-_-)

実際にインプラント治療を沢山されている先生方は、彼の美しいテクニックに驚かされたのではないでしょうか。

彼にかかれば、なんでもできちゃうんだな〜と、綺麗な仕事に関心してしまいました(^_^)

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Dr. Henry Kwek SN の講演後、技工士ホールへ移動♪

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『CAD/CAM アバットメントからなりうるインプラント審美補綴』

歯科技工士の中村心先生の講演。

中村先生は、世界初の一号機として、素晴らしい加工機を紹介してくださいました。

外車に乗るより、加工機が欲しい。

そして、一緒に働いているスタッフの時間が短縮できるようにしたいって。

涙物です(T-T)

歯科技工所に必要な道具や機械は非常に高価です。

私も技工所を開業してみてわかりましたが、すべて欲しい道具を揃えたら、歯科医院開業以上の設備費用がかかるのです。

スタッフが早く帰れるように。

私もどうにかしたいです。

テレスコープシステムをひとつ作るのに、どのくらい時間が必要か・・・

慣れている技工士でさえ、160時間。 

普通、200時間以上かかるでしょう。

機械が仕事をしてくれたら、本当に助かります。

スタッフのためにも、放電加工機を取入れる夢は諦めちゃいけないなって、中村先生の講演を聞いて感じました。

中村心先生とは、前日のパーティーでご挨拶をさせていただきましたが、先日食事会で集まった技工士同様に、かなりマニアック。笑

そして、熱い気持をお持ちの方でした。

本当に素晴らしいと感じました。

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ISOI最後の講演は、歯科医師、歯科技工士によるCAD/CAMセッション。

CAD/CAMの精度が高まるにつれ、印象をとったり、模型を注いだりという作業はこれからなくなっていくでしょう。

誰が作っても同じ精度。

印象材の精度や、石膏の膨張などがなくなると思えば凄い事です。

特に、義歯においては、重合収縮もなくなります。

私達は、今後積極的にこのシステムを取入れていく必要があると思います。

近い将来、ほとんどの補綴物が印象から補綴までデジタルにて製作でき、高いクオリティーに加えて安定した精度を保つ事ができるようになるでしょう。

しかし、患者様の口の中で機能させるのは、歯科医師と歯科技工士。

今まで以上に咬合の知識や、顎関節の知識が問われるようになります。

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バーチャルアーティキュレーターの応用についても説明してくださいました。

3年前のIDS でKaVoのバーチャルアーティキュレーターを紹介していただき、ビックリしましたが、それが今実現しようとしています。

欠点として、フェイスボーをつけていない状態なので、平均値でしかできないのが現状なようです。

これから、まだまだ発展する余地は沢山あるとはいえ、ディグマと連動したり、確実に実現すると思います。

常にアンテナを張っていないといけません。

今日は、ISOIの学会に参加させていただき、沢山の刺激をいただきました!


少し専門的となりましたが、皆様のお悩み、どのような事でもお答えできると思いますので、遠慮なくご質問いただきたいと思います。


ご相談お申し込みフォーム

ご入力いただきましたら、私、もしくは稲葉歯科医院のドクターから直接メールでご相談のやり取りをさせていただきます(^_^)



2016年7月 4日

▼Weber dental labor 〜上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャー技工について〜

Weber dental laborでは、ドイツで開発されたシュトラックデンチャーを原形とした『上下顎同時印象法による総入れ歯』の技工を承っております。

『上下顎同時印象による総入れ歯』の原型は、ドイツのDr.Reiner Strackの総義歯です。Dr.Strack は、当技工所顧問の稲葉繁先生が留学していたチュービンゲン大学出身の総義歯の大家であり、その技術はDr.Hans.shleichが引き継がれました。

Dr.shleichの素晴らしい技術をさらに改良したのが、現在の『上下顎同時印象法による総義歯』です。

団塊の世代が後期高齢者を迎えるとされる2025年、これから益々、総義歯の需要が高まると思います。

しっかりとした入れ歯を作りたい、健康を回復しQOLを高めたいと思われるシニア世代の方は、これから確実に増えていくと感じます。

そのような方に向けて、質の高い総義歯の知識や技術を提供させていただき、患者様の喜びに繋げ、先生方にもご満足していただける技工をお届けしたいと思います。

IPSG スタディーグループにて「総義歯ライブ実習コース」を受講された先生は沢山いらっしゃると思います。

確かに素晴らしい方法だけれども、いざチェアーサイドで、上下顎同時印象をしようと思っても、勇気がいるものです。

私達は、先生方が迷いなく治療を進められるよう、技工面からサポートさせていただきます。

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こちらは、上下顎同時印象を行うための個人トレーです。

スタディーモデルを元にして、患者様に合ったオーダーメイドのトレーを製作します。

上顎は、口の周りの筋肉や舌の均衡が取れている状態を型採りする必要があるため、あらかじめイメージしながら製作します。

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上下顎同時印象により印象した情報を、咬合器にトランスファーします。

個人トレーにシリコンの印象材を少し多めに入れ、患者様自身の筋肉の力で、口元を尖らせたり、口角を牽引したりしていただきます。

この動作により、唇の位置、口角の形まで記録することができます。

そして最後に、一番大切な動作として「嚥下」をしていただきます。

この動作をすることで、口の中は陰圧となり、患者様が普段、食事をしたり、唾液を飲み込むときの筋肉の動きが、記録されることになります。

シリコン印象材が固まったところで、再びフェイスボウトランスファーを行います。

重要なことは、型採りの中心位とフェイスボウの正中を正確に一致させることです。

上下同時に型採りした記録には、頰筋や舌が動いている状態が再現されていることが確認でき、さらに唇、舌の形など多くの情報を得る事ができます。

これらすべての情報は、人工歯の並べ方や歯肉の形成に大きく役立ちます。

ライブで見せる 究極の総義歯2  

こちらのDVDは、実際に患者様とのやり取り、また製作、判断において先生が見たいポイントや
IPSG認定技工士、岡部氏の排列も余すところなく収録されているので、上下顎同時印象法の様子をご覧頂く事ができます。

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こだわりの重合方法は、イボカップシステムです。

イボカップシステムは、3トンの圧力に耐えるフラスコと6気圧の圧力でレジンを補うことが出来る方法で、重合収縮を補正しながら精度の良い総義歯を作ることが可能な方法です。

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イボカップシステムで製作された総義歯は強度が高く、透明感にも優れ、重合精度が高く、長い使用にも変質しない優れた方法です。

イボカップシステムにおける重合方法は、大変な手間がかかり、その道具を揃えるために初期投資もかかります。

製作単価もかかるため、現行の保険制度では経済的な損失が大きいため困難である製作方法です。

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イボカップシステムの重合は、透けるほど口蓋が薄いです。

人工歯はIVOCLAR のビボデント、オーソシット、天然歯のような高い審美性と硬さを兼ね備えています。

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シュトラックデンチャーの特徴として、下顎の形が従来の総義歯と大きく異なっています。

義歯の揺れを抑えるために、顎舌骨筋窩というところにまで床を伸ばすと義歯の安定はよくなりますが、この形状の場合、大きく口を開けたときに浮き上がることが多く、舌が動くと義歯が外れやすいのです。 

それに対して、上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャーは、舌の前方あたりのサブリンガルルームを利用して、舌が自由に動けるように設計されています。

歯が抜けると骨が薄くなります。

それを補うのが床ですが、この床の面積を大きくするほど入れ歯の吸着力も高まります。

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総義歯を苦手とする先生も多いと思います。

シュトラックデンチャーを患者様の口の中に装着した際の調整方法、チェックポイントなども当技工所顧問である稲葉繁先生監修もと、お伝えすることができます。

患者様、歯科医師、歯科技工士、双方が満足いただける技工を目指して行きたいと思います。

2016年7月 1日

▼コーヌスクローネ技工のご紹介

コーヌスクローネを応用した補綴物が1980年代に一部の臨床家の中で広まりましたが、10年間ほどで下火になってしまいました。

色々なトラブルが生じてしまい、その評価を落としてしまったためです。

トラブルの原因はパーシャルデンチャーの設計の問題を始め、製作方法、使用金属、適応症等が統一されていなかったためだと思われます。

補綴物が長期間にわたり正常に機能し、口腔内にとどまるには正しい臨床操作と技工操作が行われて初めて達成されます。

コーヌステレスコープの場合、内冠製作から外冠製作、患者様への装着が正しい方法で行われていたかどうかが非常に重要であり、よい維持力が発揮されるのは、正しい方法で正確にコーヌス角度が与えられ、コーヌスクローネに適した金属で製作されたかどうかによります。

現在、最も問題とされているのは、維持力に関する事であり、維持力が強すぎる場合、あるいは弱すぎる場合にどのように対処するか、また、維持力調整の前提として正しくコーヌスクローネが製作されたかどうかが重要です。

コーヌスクローネのような形をしていても、実はコーヌスクローネではない場合も多くみられます。

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コーヌスクローネはその特徴を発揮するためには、精密に製作し、大変難しい技術です。

当技工所では、本場ドイツにてコーヌスクローネを直接学んできた、顧問の稲葉繁先生より正しい製作法の指導を受けおります。

また、先生方におかれましても、IPSGスタディーグループにて正しい製作法を身につけていただき、コーヌス理論を熟知していただくことをおすすめいたします。

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コーヌスクローネ製作に不可欠な機器も当技工所には取り揃えてあります。

フリーハンドで研磨を行うと、角度が変化したり軸壁に丸みを帯びてしまいます。

そこで、横型研磨機を用い器械研磨を行うと、維持力を常に一定に保つことができ、不安定な内冠の軸面の仕上げを取り除くことが可能となります。

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コーヌスクローネの維持力を確実に発揮させるためには、コーヌス角度6度をいかに正確に形成するかが重要なポイントとなります。

「コーヌスクローネの生命は内冠にあり」

といっても過言ではありません。

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コーヌスクローネの問題点として、ネガティブヴィンケルの問題があります。

平行性の問題で、前歯の歯頸部の部分に金属面がでてしまい審美性に問題があるようなケースです。

しかし、これらの問題を解決するために、ドイツの技工マイスターH.Pfannenstiel,R.Plaum,機械工学マイスターH.Breitfeldらによってコナトアが解決されました。

ドイツのラボには必ずあるコナトア、日本ではまだまだ普及していませんが、コーヌスクローネなどの全顎技工には必須のアイテムとなります。

模型台の傾斜を6度の範囲で自由に調整できる台であり、ドイツのラボにおいて、出来る限り少ない器具で、短時間に補綴物を製作しなければならない必要から生まれました。

6度の測定杆、6度のワックスシェーバー、6度の金属用カーバイトバーの三種のインストルメントを使用することでコーヌスクローネの内冠に均一な厚みを得られ、ネガティブヴィンケルの少ない正確なものが製作出来、大幅に作業能率が上昇します。

装着方向に対して平行性を失わなければ、6度の範囲で自由にコナトアを操作し、支台歯の最も適正な内冠の形成ができるのがコナトアの特徴といえます。

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内冠の試適に際しては、適合性はもちろんのこと、内冠の位置関係を正しく外冠用模型に再現する必要があります。

この方法としてオクルーザルコアがあります。

これは、外冠製作時の支台歯間の位置づけ、義歯のフレームとの位置関係、補綴物の一体化の際に使う大変大事なものとなります。

こちらに関して、内冠製作時、ラボで製作をさせていただきます。

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ユージノールペーストでオクルーザルコアを固定し、外冠および義歯部のための印象採得を行います。

内冠と外冠は別々にセットするのではなく、同時にセットするのが本場ドイツのコーヌスクローネです。

これら一連の作業を、チェアーサイド、ラボサイドでお互いをチェックし合いながら連携する事で、安定した維持力を得られ、患者様の喜びへと繋がります。

初めてコーヌスクローネに挑戦する先生もいらっしゃると思います。

チェアーサイドではどのように作業をすすめていけばよいか、わかりやすくアドバイスさせていただくので、どうぞご安心ください。

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ドイツでは、コーヌスの支台歯には原則として生活歯を使わなければならないということでしたが、日本においては、支台歯を抜髄することで、歯根破折を起こし、トラブルの原因となるケースも多くみられます。

正しい方法で行われたコーヌスクローネは、多くの症例で30年以上の経過を保っています。

ぜひ、挑戦していただきたいと思います。


▼コーヌスクローネを学びたい先生方へ

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■書籍
当時、稲葉先生が出版した『正統派コーヌスクローネ』が冊子になりました。

オクルーザルコアの使用、コーヌスのミリングマシーン、正しい印象法、セット方法など、詳しく正しい方法で書かれています。
コーヌスクローネの基本的な設計は、すべてのパーシャルデンチャーに応用することができます。

他では入手することができない一冊、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。

書載の詳細はこちらから→











2016年6月30日

▼ レジリエンツテレスコープ技工のご紹介

超高齢社会を迎えた現在において、インプラント治療に不安を持たれる患者様も少なくありません。

特に、少数歯残存ケースにおいてご自身の歯を利用するレジリエンツテレスコープの需要は高まるばかりです。

ドイツチュービンゲン大学で開発されたレジリエンツテレスコープは、チュービンガーデックプロテーゼと呼ばれる、粘膜で支える義歯のため、歯根膜の感覚を残す事ができます。

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インプラントでは難しい、骨の量が少ないケースであっても問題なく治療を行う事ができます。

自由に口元を作る事ができ、審美的にも美しく機能的にも優れていることから、当技工所が得意とする義歯です。

少ない本数だからこそできること。

それは口元を自由に作れる事です。

歯を失い、骨が吸収して口元がへこんだ部位を、床により内側から膨らましボリュームをだすことができるのも特徴です。

人工歯はIvoclar 社のオーソシット、フォナレスなどを取り揃えております。

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レジリエンツテレスコープとは、内冠の歯茎部はショルダーないしステップのないもので、これを残存歯にセメント合着します。

外冠は内冠の咬合面側との間に0.3~0.5mmの緩衝腔を確保して義歯床に固定します。

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義歯に咬合圧が加わった時、その荷重のほとんどは顎堤が負担する様なしくみとなっています。

咬合圧から解放されたときには、圧縮された顎堤粘膜がもとの状態に復元し、内外冠の間に再び緩衝腔が生じます。

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重合方法は、PVPM、イボカップシステムなど世界水準の非常に高い技術で薄くても頑丈、強度と美しさを兼ね備えた方法を取り入れております。

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レジリエンツテレスコープは、SprengおよびGraberが開発した緩衝型テレスコープをチュービンゲン大学のM.Hofmannによって改良が加えられ、1966年に発表された技術です。

レジリエンツテレスコープによる補綴を行った症例について、追跡調査もすでに報告され(LehmannおよびKoerber)、予後が非常に良好であることが証明されています。

その結果は合計100症例以上における術後8年を経過した時点での調査では、その40%に残存歯の安定性が認められ、残存歯の動揺が増した症例は35% だったといいます。

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当技工所顧問の稲葉繁先生がドイツからこの技術を日本に紹介し、すでに30年以上患者様の口の中で機能している症例が多数あることからも、長期間使って頂く事ができる非常に優れた技術である事が証明されているといえるでしょう。

レジリエンツテレスコープの製作過程においても、現在ページ制作中です。

先生方のチェアーサイドのお仕事がスムーズ運ぶように、ラボサイドではどのような技工をしているのか共有していきたいと思います。



入れ歯先進国ドイツで開発されたリーゲルテレスコープ。

当院顧問の稲葉繁先生が客員教授としてチュービンゲン大学に留学をした際に、ケルバー教授から直接学んだ方法です。

当時、リーゲルテレスコープの複雑な技工をすべて覚え、日本に持ち帰り、技工士に伝えました。

▼テレスコープシステムの歴史

テレスコープシステムは1880年にR.W.Starrによってブリッジの支台装置として用いられています。その後、1889年にPeesoによってテレスコープを使用したブリッジや、スプリットピン・アンド・チューブアタッチメントを使用した可撤性ブリッジが考案されているので、現在までテレスコープシステムの歴史は、130年になろうとしています。

その間多くの先駆者達によって、より良い補綴法を追究して各種の維持装置が研究開発されてきました。

現在のようなテレスコープシステムによる維持方法は1929年HaeuplとReichborn-kjennerudにより発表されました。

▼リーゲルテレスコープの歴史

リーゲルテレスコープは1948年、Tuebingen大学のDr.Strackと技工マイスターE.Schlaichによって、考案。

その後Dr.Strackの助手をしていたE.Koerber, M.Hofmannによって改良が加えられました。

現在用いられているリーゲルテレスコープは回転リーゲルと旋回リーゲルとがあります。

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テレスコープシステムの中でも特にドイツ的で精密さが要求され、マイスター試験に必ず出題されるリーゲルテレスコープのご紹介をさせていただきたいと思います。

回転リーゲルに使用する道具が手に入らないため旋回リーゲルが国内では主となっています。

リーゲル(Riegel)とはドイツ語で閂(カンヌキ)のことであり、これを維持装置として用いています。

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リーゲルテレスコープを構成する内冠です。

ご覧の通り、内冠で一次固定を行います。

方向性もありますので、2ブロックに分けることもできます。

失活歯が多い症例、また歯周病が進んでいる症例において、一次固定を行う事により、全体で支え、1本1本の負担を分散させることができます。

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2次固定として、リーゲルの外冠をリーゲルレバーでしっかりと固定します。

着脱は患者様自身が行いますが、旋回リーゲルに爪の先を引っかけ、レバーを回すと何ら抵抗なく義歯を外すことができます。

口蓋にシュパルテ床をつけることで、より強固となります。

このシュパルテの形は、ほとんどの患者様に違和感なくお使えいただけるすぐれた床です。

左右のひずみを、口蓋で吸収し反対側にゆがみを発生させないようなしくみとなっております。

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片側遊離端症例。

一般に日本ではコーヌスクローネを使用する事が殆どでしたが、コーヌスクローネの場合にはその性格状一次固定であり、支台歯は連結する事はなく離れているため様々なトラブルに遭遇します。

その代表的なトラブルは歯根破折です。

この原因は歯根膜の沈み込みと粘膜の沈み込みの量の違いによるもので、遊離離義歯では必ず沈み込みがあります。

例えば、第2小臼歯、第1、第2大臼歯の3歯欠損の場合に義歯の最遠端の沈み込みは咬合時に0.35ミリ(350ミクロン)程度の沈み込みがあると、元エアランゲン大学のM.Hofmann教授は述べています。(テレスコープシステムで治療した場合の沈み込みです)

このような現象はコーヌスクローネの場合、支台歯が離れている場合には第1小臼歯のみに負荷が掛かるため、歯根破折などのトラブルに遭遇します。

従って、支台歯を一次固定できるリーゲルテレスコープが適しています。

2歯欠損の場合には支台歯として、第1小臼歯、第2小臼歯を支台歯として使い、さらに遠心にシュレーダーゲシーベ(Schroeder geschiebe)というアタッチメントをつける事により、義歯に加わる咬合力に対し、支点を遠心に移行させ、沈み込みを防止する事ができます。

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リーゲルテレスコープは、細やかな技工操作を必要としているため、熟練した技工技術が必要となります。

Weber dental laborでは、IPSGのテレスコープ実習を受講してくださった先生方のサポートをさせていただきたいと思います。

受講したけれど、いざはじめようとしても手順がわからない。

設計が果たして正しいのかどうか不安。

という先生方がスムーズに診療を進めていけるように、細かなアドバイスもさせていただきますのでどうぞご安心ください。

ご質問なども承りますので、遠慮なくお問い合わせください。





2016年6月27日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

2016年6月25日 〜ヨーロッパの総義歯の源流を学ぶ〜『総義歯の基礎と臨床』が開催されましたので、ご報告させていただきたいと思います。

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今回も全国から沢山の歯科医師、歯科技工士の先生方にお集りいただきました。

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稲葉先生は、チュービンゲン大学のシュトラック教授が開発したシュトラックデンチャーを原型とした上下顎同時印象法による総義歯をはじめて20年以上になりますが、現在迄大変良い結果を得ています。

私達は、人工臓器として噛むという人間のもとになるものを作らなければなりません。

一旦歯を失って、味わいのない流動食になってしまったら、人生の楽しみがありません。

総入れ歯によって、食事を噛む喜びを再び取り戻し、他人とのコミュニケーションをはかることができるというのは、人生においてお金に換えられない価値があります。

「総入れ歯は人間の英知を結集したもの」

残念ながら健康保険は、あまりにも安い評価なので満足いくものを作る事ができませんが、患者様の中には、その価値を十分に理解してくださり、私達の技術に託してくださる方が沢山いらっしゃいます。

そのような価値を改めて考えて、私達は質の高い総入れ歯を提供する技術を身につける必要があります。

「私は半世紀もの臨床経験があります。総義歯のこれまでの歴史について私にしか伝えられない事が沢山ありますので、ぜひ皆様にお伝えしたいと思います。」

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日本の総義歯の技術は実は非常に古く、1583年に作られています。

当時としては長寿の74歳で往生した紀伊・和歌山の願成寺の草創者・仏姫の拓殖の木から作った木床義歯です。

当時は現在のように優れた印象材や模型材もなく、咬合器もない時代に、適合性に優れ、噛める義歯を作ることができたものであると、感心してしまいます。

当時の義歯の製作方法を調べてみると、非常に合理的であり、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがうかがえます。

その製作法の鍵は、蜜蠟を使った印象採得と咬合採得を同時に行うことです。

これは蜜蠟を鍋で温め、それを一塊として患者さんの口腔内に入れ、咬合位を決定した後に口腔内の形を採得するというものです。
一塊にしたものを上下顎に分けたのであるから、正確な咬合位の再現が可能になるのは当然です。

稲葉先生は日本の歴史から総義歯を学び、上下顎同時印象ができる方法がないかずっと模索していました。

そしてガンタイプの印象材が開発されたのを機に、最終印象を上下顎同時印象をする方法を開発します。

稲葉先生の総義歯は、世界最古の木床義歯による上下同時印象、そして化石の原理が原点です。

化石は一つのものを二つに割っても、必ずもとに戻ります。

総義歯も一緒でひとつの印象を咬合器上で、ふたつに分け、最後に戻すという考えです。

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上下顎同時印象法を行って、総義歯を製作するシステムの利点はつぎの通りです。

・咬合採得、ゴシックアーチの描記、フェイスボートランスファー、上下顎同時印象をわずか1回で行うため、合理的であると同時に来院回数の減少が図れる。

・咬合採得した位置で最終印象を行うため、顎位の誤差を生じない。

・印象採得中に嚥下を行わせるため、口腔周囲筋の印象採得が可能である。

・最終印象をフェイスボートランスファーし、咬合器に付着できる。

・印象面に口腔周囲筋、口唇、舌の形態を再現することができる。

・ニュートラルゾーンに人工歯を排列できる。

・サブリンガルルームを利用することにより舌による良好な維持が期待できる。

床を後舌骨筋窩まで延長する必要がなく、舌の動きを阻害することがない。

・イボカップシステムの応用により重合収縮を補正し、適合が良好なため、ウォーターフィルム減少を得ることができ、維持がよい。

・顎堤が極度に吸収している症例でも、頬筋、口唇、舌の維持ができる。

さらにこのシステムを応用し、オーラルディスキネジアや、脳卒中後の麻痺のある患者さんに対してよい成績を上げている他、顎関節症を伴う総義歯患者においてもよい成績をあげています。

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近代総義歯学の基礎を築いた、スイスの歯科医師のAlfred Gysi(アルフレッド・ギージー)の歴史をたどりました。

Gysiはカンペル氏の平面のコンセプトを作ったり、 シンプレックス咬合器、トゥルバイト人工歯の開発など、沢山の業績を残しています。

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ギージーは様々な咬合器を開発しました。

シンプレックスの咬合器、ハノーの咬合器、ニューシンプレックス咬合器や、Trubyteの咬合器、それぞれ、すべてフェイスボートランスファートランスファーをしています。

そして、人工歯の大きさは、顔の大きさの16分の1という基準も、100年経った今でも使われています。

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左上の図は、Condail顎関節顆頭と Incisal前歯がうまく協調がとれて、大臼歯と小臼歯の咬頭傾斜角が噛み合う。

という歯車に例えた有名な図だそうです。

右上の図では矢状顆路角の平均値、33度であることを述べていて、現在でも使われている貴重な内容を図に表した物です。

その他にも歯槽頂間線法則について、骨の吸収が進行していくと、咬合平面と歯槽頂間線のなす角度が80°以下になり、交叉咬合排列にするという説明の図が右下にあります。

これが、ギージーの義歯の弱点とも言えます。と稲葉先生。

ギージーの排列では、頬筋のサポートが完全に得られない他、食渣が頬側に入りやすく、常に食物が停滞した状態になります。

今回も、ギージーの歴史を辿ることで、本当に沢山の知識を確認することができました。

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1949年ドイツ、チュービンゲン大学のシュトラック教授は、それまでのギージーによる歯槽頂間線法則を否定し、口腔周囲筋による安定を求めました。

歯列に対し、口腔周囲筋・唇・舌の力の均衡がとれるところに、即ち、もと有ったところ『ニュートラルゾーン』に歯を並べると共に、頬筋・唇・舌により義歯を安定させる方法を開発し、さらに顎機能に調和した人工歯を開発し特許を取得しました。

現在使われている、オルソシットがそれです。

最初は陶器で有名なフュッチェンロイター社の陶器でしたが、イボクラー社のコンポジットの人工歯となりました。

歯槽骨がないような顎堤でも、維持を発揮でき、排列も自由に行うことができます。

上の図は、シュトラックがオルソシットの特許を取った時の貴重な写真です。

詳細な顎運動を計測し、ピラミッドの重なりを歯の咬頭とし、特許を取得した図もあります。

シュトラック教授は、チュービンゲン大学のケルバー教授の前の教授で、シュライヒ先生は非常に尊敬している教授でした。

1978年、稲葉先生は、たまたま、シュトラック教授の話を当時、Ivoclar社補綴研修部長で総義歯の講師をしていた、シュライヒ先生に話したことで、交流を持つきっかけとなったと言います。

このように、稲葉先生の『上下顎同時印象法による総義歯』には歴史的背景があります。

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1978年ドイツ、チュービンゲン大学の客員教授として留学をしていた際、IVOCLAR社主催の総義歯のセミナーを受講しました。 その時の補綴研修部長が、Dr.Hans Shleichです。

大変な衝撃を受けたと言います。
日本の教育の総義歯とは全く違う方法で行われていました。

その時IVOCLARでみた方法は、スタディーモデルを上下顎同時印象でアルギン印象で行っていました。

稲葉先生は、それ以来、これをどうにか、上下同時に最終印象で、そしてシリコン印象で行いたいと、ずっと考えていました。

そして、20年前稲葉先生が代表を務めるIPSG発足を機会に、Dr.Hans Shleichを招き、IPSG発足記念講演を開催しました。

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こちらがその当時の写真です。

IPSG発足して、21年なので、ちょうど21年前の写真ということになります。
(左上のモノクロの写真には、わたしも写っています・・・
日本歯科大学の講堂で開催された、とても懐かしい写真です。)

それから間もなく、稲葉先生は、ガンタイプのシリコン印象材が開発されたのを機に、最終印象を上下顎同時印象で取る方法を開発し、発表しました。

日本の総義歯は残念ながら遅れています。
現在の排列もギージーの方法のままです。

上下顎同時印象法は、特殊なものなので、大学の教育に取り入れられることはありません。

エビデンスがあっても、国家試験には結びつかないので、大学ではなかなか取り入れられるのが難しいテクニックなのだと思います。

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〜シュライヒ先生について、Dr.Hans Schleich〜

・1926年ドイツミュンヘンで生まれ、父親はワイン作りのマイスター
・ミュンヘンで歯科技工士の資格を取得し、その後矯正学を勉強ドクターの資格をとる
・リヒテンシュタインのイボクラー社の補綴研修部長となり、イボクラーデンチャーシステムを完成させる
・その後イボクラーデンチャーシステムを広めるために世界各地で講演活動をする
・ブラジル、サンパウロ大学から名誉博士の称号を受ける
・1994年イボクラー社を退職。

〜シュライヒ先生の功績〜
・ヨーロッパの多くのプロフェッサーの業績を義歯の製作というテーマでシステム化し、イボクラーデンチャーシステムを作り上げた。
・即ち、印象はミュンスター大学マルクスコルス教授の上下同時印象用トレーであるイボトレー
・咬合器はデュッセルドルフ大学のベトガー教授のナソマート咬合器のシステム
・ゴシックアーチ描記はポーランドワルシャワ大学のクラインロック教授の描記法、ナソメーター
・人工歯はチュービンゲン大学のシュトラック教授のオルソシット等を取り入れ、さらに印象材、カップバイブレーター、トレーレジン、イボカップシステムを開発し、総義歯製作の体系を創り上げた人

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Dr.Hans Shleichが、今のBPSシステムのインストラクターの大元だったことは、あまり知られていません。

シュライヒ先生は、引退するとき、すべての資料、スライドを稲葉先生に託しました。

世界中に広めてほしいと。 

シュトラックデンチャーを絶やさないでほしいと。

シュトラックデンチャーにおける、排列、重合、上下顎同時印象法に関する細やかなテクニックは、IPSG副会長、岩田光司先生からお話をいただきました。

稲葉歯科医院、小西浩介先生レポートの予定です(^_<)-☆

総入れ歯の歴史を、年代ごとにこんなに語れる先生は稲葉先生、そして故岡部宏昭先生だけだと思います。

ずっとずっと聞いていたい程、素晴らしい歴史を知る事ができました。


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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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