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2017年12月21日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

今回は、3ヶ月半で上顎レジリエンテレスコープ、下顎コーヌスクローネの初診から完成、調整まで治療させていただく患者さまの症例です。

患者様はアメリカ在住、現地の歯科医院では、全て歯を抜いてインプラントか総入れ歯にするかどちらかしか方法がないと言われ、ネットで稲葉歯科医院を探してくださり来院に至りました。

ご帰国まで、メールで沢山のやり取りをさせていただき、帰国直後に2日間お日にちをお願いし初診の記録から診査診断、治療から型取りまでさせていただきました。

担当させていただいたのは、Weber dental labor の小泉詩織さん。

3週間おきのご予約に、次のステップまで進めないといけないので大忙しです。


 

全て抜いてインプラントか総入れ歯とアメリカの歯科医に伝えられたそうですが、実際拝見させていただくと、そんな必要はありませんでした。

ドイツで開発された、レジリエンツテレスコープという方法でご自身の歯を利用することができます。

海外にお住まいなので、万が一被せ物が取れたり、歯を抜く必要になってしまったとしても、入れ歯はそのままお使いいただくことができます。

 

下顎も1本も抜くことなく、コーヌスクローネという入れ歯を製作することになりました。

 

コーヌスクローネの製作手順は、非常に高度な技術が必要です。 

▼どのような方にコーヌスクローネが適応されるか

●歯周病や虫歯により歯を失ってしまった

●骨の量が少ないためインプラントができないと言われた方
●糖尿病や高血圧があるなど全身疾患をお持ちの方
●インプラントがこわいという方

昨今、インプラント治療をされた方が高齢化していること、60歳インプラント治療をした方の10年後20年後を考える必要があると思います。

もしかしたら、家族には内緒でインプラントをしているかもしれません。

このようなトラブルは、この10年の間に一気に増えています。

これからは患者様の年齢、健康寿命を考えて、取り外しができる入れ歯に変える必要もあるでしょう。取り外しができれば防げるトラブルもあると思います。

今後は、将来起こりうるリスクを考え、インプラントにするか入れ歯にするか患者様に合った方法を選択する時代になったと言えるでしょう。

また、若くして歯を失ってしまった30代から50代の方も多くいらっしゃいます。

この時期に、しっかりとした部分入れ歯を作ることで、将来歯を失ってしまうか、自分の歯を一生使うことができるかの分かれ道になると思います。

30代の時にすでに全体的にかぶせ物があったり、ブリッジが入っている方は気をつけたほうが良いでしょう。40代で、かぶせてある歯やブリッジが割れたり、保存できなくなってしまうケースが非常に多いからです。

この時期にしっかりとした歯科治療をして、歯の喪失を防止しましょう。

コーヌスクローネは、そのひとつの手段だと思います。

 



2017年12月 7日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

海外にお住まいの患者様のメンテナンスについてお伝えしたいと思います。

海外など、遠方にお住まいの患者様も1年に1度はメンテナンスにいらしていただけると、とても安心です。

まずは、メールで帰国のお日にちを教えていただきたいと思います。

当日は歯科衛生士のクリーニングに加えて、技工士の時間も確保し、患者様の来院に備えます。

  

こちらの義歯を装着させていただいた患者様は、フィリピンに在住の方で1年に1度メンテナンスにいらしていただいております。

 

技工士が拡大鏡で、歯にヒビが入っていないかどうかを確認することで起こりうるリスクを回避することができます。

今回は、人工歯が欠けてしまった部位があったので、修理をさせていただきました。

細かなところも修復し、快適にお使いいただけるように様々な面からチェックを行います。

稲葉歯科医院の中には院内ラボがあるため、このように万全の体制で、海外にお住まいの患者様のメンテナンスに備えることができます。

もちろん、歯科衛生士によるクリーニングもしっかりとさせていただきます。

上顎、レジリエンツテレスコープ。下顎はコーヌスクローネです。

患者様のあらゆるリスクを考え、たとえ1本失ってしまったとしても簡単に修理ができる方法ができ、最善の方法を選びました。

1年に1度のメンテナンスですが、患者様もドクターも安心です。

義歯を作って装着するのがゴールではなく、そこからが患者様との長いお付き合いだと思っております。

大切なご自身の義歯、長く使っていただくためにも、メンテナンスの機会を作っていただきたいと思います。


2017年9月15日

こんにちは。

稲葉歯科医院院長、稲葉由里子です。

先日、コーヌスクローネを装着された患者様からご質問をいただきました。

「わたしのコーヌスクローネに使用しているのはどのような金属なのでしょうか」

ドイツで開発された義歯、コーヌスクローネにおいて、金属の良し悪しで結果は大きく左右します。

稲葉歯科医院 では、スイス Cendres+Metaux社の歯科用金属:Aurofluid 3をコーヌスクローネの内冠、外冠に使用しています。

100%時効硬化ができる金属で、硬化熱処理後のビッカース硬度は255度あり、弾力性に優れています。←変形が少ないということです^_−☆

 

こちらは、患者様にお渡ししているパーソナル・インフォメーションです。

スイス 、Cendres+Metaux社の歯科用金属は下記生体親和性、及び耐食性に関連する厳しい臨床テストに合格しています。

●Corrosion resistance 耐食性テスト(ISO22674)

●Cytotoxicity test 細胞毒性テスト(ISO10993-5)

●Sensitization test アレルギーテスト(ISO10990-10)

●Mutagenicity test 変異原性テスト

生体安定性に優れ、アレルギーの発生がほとんど考えらないので安心してお使いいただけます。

成分は、

貴金属成分として、

Au(金)71.0%

Pt(白金)2.0%

Pd(パラジウム)2.0%

Ag(銀)9.0%

非貴金属成分として、

Cu(銅)14.5%

Zn(亜鉛)

で構成されています。

鋳造10回後でもマイクロ結晶(超微粒子)構造の変化は見られないほど、優れた金属です。

先日、スイスバーゼルで開催されたITI world symposium のCendres+Metaux社のブースにおいて、金属は一つも展示されていませんでした。

世界的にもメタルフリーの傾向がありPekkton というマテリアルがインプラントなどの上部構造に用いられていました。

リーゲルテレスコープなどには応用できると思いますが、Pekktonもコーヌスクローネには適さないでしょう。

・・・・・・・・・・・・・

稲葉歯科医院顧問である、稲葉繁先生が執筆された、「正統派コーヌスクローネ」

オクルーザルコアの使用、コーヌスのミリングマシーン、正しい印象法、セット方法など、詳しく正しい方法で書かれています。
コーヌスクローネの基本的な設計は、すべてのパーシャルデンチャーに応用することができます。

他では入手することができない一冊、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。

(歯科医師対象)


2017年7月20日

ドイツで開発された、コーヌスクローネは金属の金具が見えず、見た目に美しい入れ歯として1980年代より日本でも広まってきました。

コーヌスクローネの優れたところの一つは修理ができることです。

私達が、コーヌスクローネを患者様に選択する時、失った歯の部位だけではなく、将来起こりうるリスクも考えます。

一見しっかりしているように見える歯でも神経の治療をしていたり、歯周病があると5年後、10年後には失ってしまう可能性があります。

そのようなリスクをすべて考慮して、何度も作り直しが必要がないように設計をし、万が一失ったとしても、修理ができるようにしておきます。

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コーヌスクローネはその特徴を発揮するためには、精密かつ正しい製作方法が必要であり、大変難しい技術です。

IPSG認定歯科医院では、本場ドイツにてコーヌスクローネを直接学んできた、顧問の稲葉繁先生より正しい製作法の指導を受けおりますので、患者様に長期にわたり使っていただくことができます。

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このようなコーヌスクローネ専用の機械がなく、フリーハンドで研磨を行うと、角度が変化したり軸壁に丸みを帯びてしまいます。

正しい方法で製作したコーヌスクローネは、「ゼロフィッティング」することができ、適度な維持力を発揮させることができます。

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コーヌスクローネの維持力を確実に発揮させるためには、コーヌス角度6度をいかに正確に形成するかが重要なポイントとなります。

「コーヌスクローネの生命は内冠にあり」といっても過言ではありません。

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ドイツの歯科技工所には必ずあるコナトア、日本ではまだまだ普及しておりませんが、コーヌスクローネなどの全顎技工には必須のアイテムとなります。

ドイツの技工所において、出来る限り少ない器具で、短時間に補綴物を製作しなければならない必要から生まれました。

コーヌスクローネは、1つのものを作ろうとした時、様々な方向から検討され最善の方法がとられることが常とするドイツで開発されました。

これら一連の作業を、チェアーサイド、ラボサイドでお互いをチェックし合いながら連携することで、安定した維持力を得られ、患者様の喜びへと繋がります。

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ドイツでは、コーヌスクローネの支台歯には原則として神経のある歯を使わなければならないということでしたが、日本においては、歯の神経を取ることで、歯が割れてしまい、トラブルの原因となるケースも多くみられます。

正しい方法で行われたコーヌスクローネは、多くの症例で10年、20年と長く使っていただいております。

 残念ながら歯を失ってしまった場合、インプラントという傾向が顕著ですが、 高齢者の多くが、他に病気を持っている、 歯周病がある、骨粗鬆症で顎の骨がもろい、などの理由で、 インプラントでの治療が難しい場合もあります。 

超高齢社会を迎えた今こそ、コーヌスクローネは日本に求められる技術であると感じます。

海外にお住いの患者様でなかなか来院できないような方に対しても、修理方法が複雑ではないので安心して使っていただくことができます。

様々な種類のテレスコープシステムの中から患者様に合った方法を提供させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。



2016年7月 1日

▼コーヌスクローネ技工のご紹介

コーヌスクローネを応用した補綴物が1980年代に一部の臨床家の中で広まりましたが、10年間ほどで下火になってしまいました。

色々なトラブルが生じてしまい、その評価を落としてしまったためです。

トラブルの原因はパーシャルデンチャーの設計の問題を始め、製作方法、使用金属、適応症等が統一されていなかったためだと思われます。

補綴物が長期間にわたり正常に機能し、口腔内にとどまるには正しい臨床操作と技工操作が行われて初めて達成されます。

コーヌステレスコープの場合、内冠製作から外冠製作、患者様への装着が正しい方法で行われていたかどうかが非常に重要であり、よい維持力が発揮されるのは、正しい方法で正確にコーヌス角度が与えられ、コーヌスクローネに適した金属で製作されたかどうかによります。

現在、最も問題とされているのは、維持力に関する事であり、維持力が強すぎる場合、あるいは弱すぎる場合にどのように対処するか、また、維持力調整の前提として正しくコーヌスクローネが製作されたかどうかが重要です。

コーヌスクローネのような形をしていても、実はコーヌスクローネではない場合も多くみられます。

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コーヌスクローネはその特徴を発揮するためには、精密に製作し、大変難しい技術です。

当技工所では、本場ドイツにてコーヌスクローネを直接学んできた、顧問の稲葉繁先生より正しい製作法の指導を受けおります。

また、先生方におかれましても、IPSGスタディーグループにて正しい製作法を身につけていただき、コーヌス理論を熟知していただくことをおすすめいたします。

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コーヌスクローネ製作に不可欠な機器も当技工所には取り揃えてあります。

フリーハンドで研磨を行うと、角度が変化したり軸壁に丸みを帯びてしまいます。

そこで、横型研磨機を用い器械研磨を行うと、維持力を常に一定に保つことができ、不安定な内冠の軸面の仕上げを取り除くことが可能となります。

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コーヌスクローネの維持力を確実に発揮させるためには、コーヌス角度6度をいかに正確に形成するかが重要なポイントとなります。

「コーヌスクローネの生命は内冠にあり」

といっても過言ではありません。

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コーヌスクローネの問題点として、ネガティブヴィンケルの問題があります。

平行性の問題で、前歯の歯頸部の部分に金属面がでてしまい審美性に問題があるようなケースです。

しかし、これらの問題を解決するために、ドイツの技工マイスターH.Pfannenstiel,R.Plaum,機械工学マイスターH.Breitfeldらによってコナトアが解決されました。

ドイツのラボには必ずあるコナトア、日本ではまだまだ普及していませんが、コーヌスクローネなどの全顎技工には必須のアイテムとなります。

模型台の傾斜を6度の範囲で自由に調整できる台であり、ドイツのラボにおいて、出来る限り少ない器具で、短時間に補綴物を製作しなければならない必要から生まれました。

6度の測定杆、6度のワックスシェーバー、6度の金属用カーバイトバーの三種のインストルメントを使用することでコーヌスクローネの内冠に均一な厚みを得られ、ネガティブヴィンケルの少ない正確なものが製作出来、大幅に作業能率が上昇します。

装着方向に対して平行性を失わなければ、6度の範囲で自由にコナトアを操作し、支台歯の最も適正な内冠の形成ができるのがコナトアの特徴といえます。

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内冠の試適に際しては、適合性はもちろんのこと、内冠の位置関係を正しく外冠用模型に再現する必要があります。

この方法としてオクルーザルコアがあります。

これは、外冠製作時の支台歯間の位置づけ、義歯のフレームとの位置関係、補綴物の一体化の際に使う大変大事なものとなります。

こちらに関して、内冠製作時、ラボで製作をさせていただきます。

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ユージノールペーストでオクルーザルコアを固定し、外冠および義歯部のための印象採得を行います。

内冠と外冠は別々にセットするのではなく、同時にセットするのが本場ドイツのコーヌスクローネです。

これら一連の作業を、チェアーサイド、ラボサイドでお互いをチェックし合いながら連携する事で、安定した維持力を得られ、患者様の喜びへと繋がります。

初めてコーヌスクローネに挑戦する先生もいらっしゃると思います。

チェアーサイドではどのように作業をすすめていけばよいか、わかりやすくアドバイスさせていただくので、どうぞご安心ください。

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ドイツでは、コーヌスの支台歯には原則として生活歯を使わなければならないということでしたが、日本においては、支台歯を抜髄することで、歯根破折を起こし、トラブルの原因となるケースも多くみられます。

正しい方法で行われたコーヌスクローネは、多くの症例で30年以上の経過を保っています。

ぜひ、挑戦していただきたいと思います。


▼コーヌスクローネを学びたい先生方へ

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■書籍
当時、稲葉先生が出版した『正統派コーヌスクローネ』が冊子になりました。

オクルーザルコアの使用、コーヌスのミリングマシーン、正しい印象法、セット方法など、詳しく正しい方法で書かれています。
コーヌスクローネの基本的な設計は、すべてのパーシャルデンチャーに応用することができます。

他では入手することができない一冊、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。

書載の詳細はこちらから→











2015年2月 2日

『稲葉式コーヌスクローネ』とは


最近、歯科の雑誌で、頻繁にドイツで開発された入れ歯、テレスコープシステムが取り上げられています。

確実に、稲葉繁先生が代表を務める、IPSG20周年記念特別講演会の効果だと感じます。

コーヌスクローネは、1980年代当時、爆発的に流行りました。
しかし10年間位で下火になってしまいました。
色々なトラブルが生じてしまい、その評価を落としてしまったからです。

トラブルの原因は、入れ歯の設計、製作方法、使用金属、
適応症等が統一されていなかったためだと思われます。

結果、コーヌスクローネは、次第に使われなくなってしまいました。

その、コーヌスクローネが最近見直されているようです。

ですが、よく読んでいると、相変わらず間違った情報が多いように感じます。

稲葉先生は、本場ドイツで直接コーヌスクローネを学びました。

Karlheinz Koerber教授のKonuskronen,コーヌスクローネの原書。
もちろんドイツ語で書かれているのですが、稲葉先生がボロボロになるまで読んだコーヌスクローネの教科書です。

コーヌスクローネの設計、製作法、適応症、禁忌症、解決法などが、
沢山の事がこの一冊に書かれています。

原書の内容と、日本で広まりつつある内容に食い違いがあるのです。

コーヌスクローネは、沢山のルール、製作法があってはじめて成功するものであって、
自己流で製作するものではありません。

とはいえども・・・

なかなか食止める事ができません。

稲葉先生はコーヌスクローネの本場ドイツで一次情報を得て、原書通りの治療方法でこれまで、素晴らしい結果を得ています。

『稲葉式コーヌスクローネ』

として、日本で広まっている他のコーヌスクローネと分けて、原書通り、正当派コーヌスクローネを守っていきたいと思っています。

まず、1980年代臨床家の間に広まったコーヌスクローネが評判を落としてしまったのか。

また、正しいコーヌスクローネとはどのようなものかを稲葉繁が詳しくお伝えさせていただきたいと思います。

▼目次
1.テレスコープシステムの歴史とコーヌスクローネへの誤解

2.ドイツでのコーヌスクローネの扱われ方

3.日本でのコーヌスクローネの扱われ方

4.今後のコーヌスクローネの活用方法

1.テレスコープシステムの歴史とコーヌスクローネへの誤解
  
日本ではコーヌスクローネしか知られていませんが、ドイツには様々なテレスコープシステムがあります。コーヌスクローネの間違った方法が広まってしまったためにテレスコープ全体の評判を落としてしまうことは大変残念な事です。

1980年代、コーヌスクローネの本が翻訳され、一部の先生方により爆発的に流行りました。

しかし10年間位で下火になってしまいました。色々なトラブルが生じてしまい、その評価を落としてしまったからです。トラブルの原因は入れ歯の設計、製作方法、使用金属、適応症等が統一されていなかったためだと思われます。

結果、コーヌスクローネは、次第に使われなくなってしまいました。
2.ドイツでのコーヌスクローネの扱われ方
 
ドイツでは、コーヌスクローネはテレスコープシステムの中の一つで、特別な方法ではありませんでした。
私は、コーヌスクローネは勿論の事、リーゲルテレスコープ、レジリエンツテレスコープ、アンカーバンドテレスコープ等様々なテレスコープシステムを使い、ほとんどすべて、様々なケースの症例をカバーすることができることを知りました。

特にリーゲルテレスコープは応用範囲が広く、回転リーゲル、旋回リーゲルを使っていました。これらのテレスコープシステムによる臨床を実際にドイツで経験する事が出来ました。
その事が現在までの私の臨床の基本になっています。
3.日本でのコーヌスクローネの扱われ方
 
1980年に帰国をしてみるとコーヌスクラウンという名前で一般の臨床家の間で広まりつつありましたが、実際にドイツで行っている臨床と製作システムが大きく異なっていました。
使用金属は金銀パラジウム合金が使用されていて、ドイツで使用していた、ゴールドとは似ても似つかないものでした。私がドイツで、学んだ方法とは全く違っていたのです。

金銀パラジウム合金は長期使用で、精度が狂います。そこで正しい「コーヌスクローネ」を広めなければならないと考え、松風カラーアトラスに「コーヌスクローネ」と「リーゲルテレスコープ」を出版しました。

特に大きな違いは、日本の指導者は削る量が多いので歯の神経を抜くように指導していたことです。歯の神経を抜く事がトラブルの原因となり、歯が割れ、コーヌスクローネの評判を大きく落としてしまいました。ドイツでは、コーヌスの支台歯には原則として神経のある歯を使わなければならないということでしたが、日本では全く逆でした。

さらに、歯を守るためには入れ歯の設計の基本を知らなければなりませんが、殆ど知られていませんでした。
特にコンビネーションのケースに使われる「トーションバー」や「シュパルテ」という歯の破折を防止する床の設計は知られておらず、歯の破折を防止する対策が全くなされていませんでした。

その様なことが重なり、コーヌスクローネで治療する先生が少なくなってしまいました。
4.今後のコーヌスクローネの活用方法
一方で、正しい方法で行われたコーヌスクローネは、多くの症例で30年以上の経過を保っており、患者様に大変喜ばれております。
私は、ドイツのチュービンゲン大学に客員教授としてE.ケルバー教授のもとに滞在している時に、幸いな事に多くのテレスコープを経験し、一次情報を得てきました。

臨床で使われるテレスコープシステムはコーヌスクローネだけではありませんので、リーゲルテレスコープ、レジリエンツテレスコープ等を適材適所に使い、臨床の幅を広げていただきたいと思っています。さらに最近ではインプラントとの併用によりさらに良い結果が得られていますので将来に期待したいと思っています。

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当時稲葉先生が出版した
『正統派コーヌスクローネ』が冊子になりました!
オクルーザルコアの使用、コーヌスのミリングマシーン、正しい印象法、セット方法など、詳しく正しい方法で書かれています。
コーヌスクローネの基本的な設計は、すべてのパーシャルデンチャーに応用することができます。

他では入手することができない一冊、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。
(歯科医師対象)



⇒書籍の詳細はこちらから

2010年2月25日

コーヌスクローネという入れ歯について

Q.65歳の母の入れ歯の件で質問です。保険の入れ歯に馴染めないまま5年が過ぎ、今回コーヌスクローネという入れ歯を検討しています。下の歯のブリッジは放ったままの状態、上の総入れ歯は外出時のみ付けるという生活でした。痛みや話しにくさ、噛みにくさがあるようです。
今回入れ歯に精通した歯医者さんを探し、相談してみたところ、下の歯は4本残すことが出来、コーヌスクローネの入れ歯の選択もあると言われました。できるだけ納得して決めたいので、ご意見がいただけたらと思います。
1)コーヌスクローネの入れ歯が、保険の入れ歯に比べて装着感の良い物か。どの点で違いがあるのか。
(保険の歯で馴染めない人でも、コーヌスクローネの入れ歯なら使える人が多いのか)
2)長期間使える物なのか、保険の入れ歯と比べてどうか。
3)現在の歯医者さんは、もしお金をかけるとしても、上の総入れ歯は保険で作り、下は、利用できる歯を利用してコーヌスクローネで作るのはどうか?と言われています。両者にかける値段が随分違いますが、大丈夫でしょうか。

A. お答えします

まず、コーヌスクローネという入れ歯を聞きなれない方がほとんどだと思いますのでどのような入れ歯かお伝えしたいと思います。

コーヌスクローネはドイツで開発された入れ歯です。テレスコープシステムというたくさんの種類の入れ歯のひとつで、100年以上もの歴史があります。

コーヌスとは円錐形の意味で、歯に直接接着させる内冠と入れ歯の本体、外冠により構成されています。(二重に被せる方法)

内冠は円錐形で角度は6度(コーヌス角)、維持力は内冠、外冠のくさび力によります。
同じ形の紙コップを重ねると、ぴったりくっついて離れなる現象をイメージして頂けるとわかりやすいかもしれません。
装着の最後で内冠と外冠がすっとはまると、はずれなくなります。

この角度は歯の状態により調整することができます。

はずし方は入れ歯に指がかかるくぼみを作っておいて、それを持ち上げるとはずれます。

日常の生活でははずれてしまうことはまずありません。
基本的にコーヌステレスコープは神経のない歯には適応ではありません。というのは維持力が直接歯にかかるため、入れ歯の取り外しのときに神経のない弱い歯だと、土台ごと抜けてしまう危険性があるからです。
また、歯の残っている場所によっては禁忌症もあるので、しっかりとした診査、診断、治療計画が必須です。

適応を間違わなければ何十年も使える優れた入れ歯です。

それでは質問にひとつずつお答えします。

コーヌスクローネの入れ歯が、保険の入れ歯に比べて装着感の良い物か。どの点で違いがあるのか。
(保険の歯で馴染めない人でも、コーヌスクローネの入れ歯なら使える人が多いのか)

保険の入れ歯との装着感は全く違います。通常4本の歯が残っていると、日本の保険で作られる入れ歯はクラスプという金属のバネをつかったものです。
クラスプと歯は密着していますが、接着はしていません。そのため入れ歯が動きます。

入れ歯が口の中で動くと気になり異物感があります。
それに比べて、コーヌスクローネは内冠、外冠のくさび力でしっかり固定されるため、口の中で入れ歯が動くことがありません。そのため、保険の入れ歯に馴染めない方でもしっかり自分の体の一部として使うことができます。

◆長期間使える物なのか、保険の入れ歯と比べてどうか。

保険の入れ歯はバネをかけている歯が抜けてしまうとすべて作り直しが必要です。日本では合わなかったり壊れたりすると何度もつくりなおしをしますが、
このドイツの入れ歯は一度作ったら、修理しながらずっと使うことが可能です。長期間使うための入れ歯といってもいいでしょう。

◆現在の歯医者さんは、もしお金をかけるとしても、上の総入れ歯は保険で作り、下は、利用できる歯を利用してコーヌスクローネで作るのはどうか?と言われています。両者にかける値段が随分違いますが、大丈夫でしょうか。

せっかく下の歯をしっかり治すのであれば、上もそれに合ったものでなければ意味がありません。

上下の歯は対になっています。

下の歯がいくら丈夫でしっかりしていても、上の入れ歯が落ちてくるようなものなら食事もできないし、しゃべることもできません。

材質も全く違います。コーヌスクローネに使用される人工の歯はDr.Strack設計の機能的で美しさも兼ね備えたものです。 患者様の肌の色、顔の輪郭、などを参考にして選択します。

保険の入れ歯の人工の歯は、とてもやわらかいプラスチックです。

上の入れ歯を保険、下の入れ歯をコーヌスクローネとなると、別々の技工所で製作するため、完成して合わせるのが非常に難しくなります。

コーヌスクローネに合った入れ歯を同じ材質で、咬合器(かみ合わせの器械)を使用して作ることをおすすめします。

コーヌスクローネ
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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

プライベートブログ