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入れ歯安定剤がないと、入れ歯がゆるくて痛いという方へ

こんにちは。

稲葉歯科医院院長、稲葉由里子です。

 

「入れ歯が合わない」

 

「入れ歯がゆるい」

 

「入れ歯が痛い」

 

入れ歯安定剤を常につけていないと、痛くて噛むことができないという方、沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

 

先日、急患でいらっしゃった患者様は、86歳女性。

今年に入って、誤嚥性肺炎が原因で、一時は心停止を起こすなど大変な経験をされました。

 

「入れ歯が割れてしまった」

 

と連絡をいただき、事前に写真を送っていただいたのが、こちら。

 

 

何かに包まれているのは、何だろう。

と思ったら、これは、入れ歯安定剤だったのですね。。。

 

入れ歯安定剤はどのような種類であれ、長期間口の中に入れておくと、細菌が繁殖し、誤嚥性肺炎の原因ともなります。

 

口の中は、常に清潔にしておく必要がありますが、入れ歯安定剤を長期間入れておくと、入れ歯は細菌の塊となってしまうのです。

 

 

入れ歯安定剤を剥がしていくと、入れ歯が出てきました。

真っ二つに割れてしまっています。

 

 

まずは、シリコンで入れ歯の位置関係を記録しておきます。

単純にくっつけるのではなく、以前の状態がずれないようにするためです。

 

 

これまで、入れ歯が痛いところを歯医者さんで削ってもらったところ、形がどんどん小さくなってしまいました。

 

入れ歯をはめてみると、とてもゆるい。

 

だけど、痛いのです。

 

ゆるくて、合っていない入れ歯をどうにか入れ歯安定剤で支えていたのですね。

 

 

まずは、入れ歯安定剤を使わなくとも済むように、合わなくなってしまった入れ歯を修理しました。

お口の中で直接、レジンを盛るリベースという方法なのですが、レジンの性質上、気をつけないと変形してしまいます。

 

 

今回の修理をお願いしたのは、小平デンタルラボの歯科技工士、小平先生。

 

患者様から修理のお電話をいただいた時点で、小平先生に連絡をし、手伝っていただくことになりました。

 

私がリベースを行なった入れ歯を、小平先生が、理想的な形に整えてくださいました。

 

 

患者様のお口の中に入れてみると、

「どこも痛くない!」

と、目を大きく開いておっしゃいました。

 

「これで、大好きな肉が食べられる」

 

よかったです!

 

本来ならば作り直しが必要ですが、厚みをしっかりつけたので割れることはないと思いますので、体調を整えて、またいらしてくださいね。

 

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