金属のみえない自費の入れ歯を入れたい(30代女性)
Q.右上67左下567を虫歯で抜歯し、入れ歯を入れることになりました。入れ歯の金属が見えるのがいやで、金属のみえない自費のものを入れたいと考えています。(30代女性)
①金属を引っ掛けないシリコンの義歯とはどのようなものなのでしょうか?
②金属を引っ掛ける入れ歯のほうが、長持ちして何年も、使えるのでしょうか?
③噛むのにはシリコンやスマイルデンチャーは、保険の入れ歯よりしっかりかめなくて、あごが痩せてくると、どこかで読みましたが、どうなのでしょうか?
④金属のみえない自費の入れ歯で良い方法があれば教えてください。
ご回答、よろしくおねがいします。
A. 保険適応の部分入れ歯は残っている歯に金属の金具をひっかけます。見た目にも入れ歯を入れていることが気づかれてしまうため、最近では、自費診療での入れ歯を希望される方が増えてきました。
①金属を引っ掛けないシリコンの義歯とはどのようなものなのでしょうか?
歯にかかる金属のばねのかわりに歯と歯茎の境目の目立たないところにシリコンのばねをかけるものです。確かに目立たちませんが、口の中で入れ歯が動くと支えている歯も動かしてしまう可能性があります。

したがって、歯に金属のばねをひっかける、クラスプ義歯と構造はほとんど変わりません。
②金属を引っ掛ける入れ歯のほうが、長持ちして何年も、使えるのでしょうか?

金属を引っ掛ける入れ歯の寿命は5年〜7年ぐらいでしょう。
神経のない弱い歯に金属を引っ掛けたら、数年もしくは数カ月で歯がグラグラになってしまうかもしれません。
③噛むのにはシリコンやスマイルデンチャーは、保険の入れ歯よりしっかりかめなくて、あごが痩せてくると、どこかで読みましたが、どうなのでしょうか?
入れ歯が動くと顎の骨は痩せていきます。したがってその可能性はあります。
最近、ノンクラスプタイプの入れ歯のように、歯を削らずに短期間で、費用も比較的安い入れ歯が増えてきたように思います。
しかし、歴史が短く、長期症例について報告がないのが現状です。顎が痩せてくると入れ歯が合わなくなり、数年もすると健康な歯まで失ってしまう可能性があります。
ノンクラスプに用いられる樹脂は材料や構造上、修理や調整が難しいと思います。最近では、一床10万円を切るような激安ノンクラスプもでてきているようです。
入れ歯が合わなくなると、定期的に歯科医院に通い、低くなってしまったかみ合わせを、修理で盛り足していく必要があります。
④金属のみえない自費の入れ歯について
当院でおすすめさせていただいている自費の入れ歯は、テレスコープ義歯というドイツで開発された入れ歯です。
テレスコープ義歯はドイツで130年以上の歴史のある入れ歯です。技術、材料の向上により、金属がみえることもないため、若い方からお年を召した方まで幅広く受け入れていただいております。

テレスコープ義歯は、口の中で動くことがないため支えている歯を守ることができます。動くことがない入れ歯は、奥歯でしっかりと噛みしめることができます。そのため、これまで使われていなかった筋肉が蘇り、健康的な口元を取り戻すことができます。
テレスコープ義歯は、歯科技工士が患者さまのお口に状態に合わせて、一つ一つ手作りで製作しております。

私達が、テレスコープ義歯を患者さまに選択する時、失った歯の部位だけではなく、将来起こりうるリスクも考えます。 ドイツ人は、費用は高くとも1度作った物に対し、メンテナンスをしながら長く愛用するという気質があります。様々なリスクを考慮し設計され、修理をしながら長く使っていただけるような工夫をしております。
金属がみえない入れ歯という選択基準だけではなく、10年、20年、30年後を見据えて、ご自身の歯を守ることができるような入れ歯を選んでいただきたいと思います。
金属のみえない、目立たない部分入れ歯について動画でもお伝えしておりますので、ご参考になさってください。
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