前歯6本、入れ歯の種類について教えてください(40代女性)
前歯6本、入れ歯の種類について教えてください(40代女性)
Q.今から10年ほど前に、前歯6本を全て繋げて差し歯にしました。
最近、歯がグラグラしている感じがあると思い、慌てて歯医者へ行ったら、根っこの部分しか残っていなくて、虫歯でもう使えないと言われ大変ショックを受けました。
入れ歯かインプラントしかないそうです。
骨がボロボロのため、インプラントは難しく、入れ歯を勧められたのですが、あまりにもショックで絶望的な気持ちになりました。
今、ようやく冷静になり、入れ歯について色々調べてみましたが、沢山の歯科医院と様々な種類の入れ歯があり、何が良いのか探せない状態です。
また、夜は絶対に入れ歯を外して寝ないといけないのでしょうか・・・。どうぞよろしくお願いいたします。
A.前歯6本を失うケースは、すでに、差し歯やブリッジで治療をされている方に多く見られます。前歯は、歯の根っこが1本のため、適切なかみ合わせをつけないと、下の歯とかみ合わせた時に前歯を突き上げてしまい、次第にグラグラと揺れてしまいます。
前歯の役割について
・顎の動きをコントロールする大切な役目を担っており、かみ合わせに大きな影響を及ぼします。
・審美的に非常に大切な部位であり、この部位を失ってしまうと日常生活に大きく関わって来てしまいます。
・前歯はハッキリとした発音をするために重要です。
残念ながら、前歯を失ってしまった場合の入れ歯の種類は大きく分けて、4つです。
インプラント、クラスプ義歯、ノンクラスプ義歯(シリコンデンチャーやスマイルデンチャーなど。)、テレスコープ義歯
今回のご質問の場合は、骨がボロボロでインプラントは難しいとのこと。
前歯の歯茎がやせてしまうと、通常インプラント治療が難しくなります。骨造成手術などを行い、新しい骨を作る方法もありますが、全体的に骨が足りない場合には、長い時間がかかります。
また、ご自身の歯を失うことになってしまった原因が重度の歯周病だった場合には、顎の骨が薄くなっていることが予想されるため難易度も高くなります。
クラスプ義歯は、前歯に金具がかかるため、審美的に問題があります。また、支えている歯に大きな負担がかかるでしょう。
ノンクラスプ義歯と呼ばれる、金具が見えず、ピンクや透明の樹脂で支えているものは、柔らかく、沈み込みがあるため、かみ合わせのバランスをしっかり整えるのは難しくなります。

患者さまは、40代女性。前歯6本をブリッジでつないでおりましたが、前歯に負担がかかり、グラグラとしていて、今にも抜けてしまいそうな状態でした。
歯周病で歯を失ってしまった場合、前歯をインプラント治療を行うのは骨が薄いため、大変難しいケースとなります。
患者さまと、ご相談をさせていただき、今後できる限り歯を失うことがないように、テレスコープ義歯という方法で治療をさせていただきました。

失ってしまった前歯は、左右の歯を連結、固定することで補強しています。(内冠)

そして、この上から取り外しのできるテレスコープ義歯を被せます。(外冠)
歯にかけるバネも見えず、取り外しができるブリッジのような感覚で使っていただくことができます。

現在、9年が経過しておりますが、治療をさせていただいた当時から歯を失うことがなく、使っていただいております。
もし、9年前に、全体を考えて治療を行わなければ、もしかしたら全ての歯を失っていたかもしれません。
今、しっかりと治療をしておく事で、10年後、20年後に大きな差がでると思います。
その他にも、患者さまの歯の状態に応じて3種類のテレスコープ義歯を選択しております。
また、ドイツの入れ歯テレスコープ義歯は夜取り外す必要はありませんので、どうぞご安心ください。
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