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2018年1月26日

こんにちは。

稲葉歯科医院院長、稲葉由里子です。

今回は、Weber dental labor 歯科技工士、石川太一さんと一緒に治療させていただいた症例をご紹介させていただきたいと思います。

患者様は、26歳女性、遠方よりいらっしゃいました。

小さな頃から歯医者さんが怖く、痛みがあっても我慢して放っておいたそうです。

虫歯で、奥歯3本が溶けてしまい、痛みをいつも我慢しながら噛んでいたとおっしゃいます。

今回、一大決心をして、稲葉歯科医院を選んでくださいました。

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歯医者さんのトラウマもあり、インプラントは怖いとのことでした。当院のテレスコープ義歯がご希望でしたので、片側の歯を使ったリーゲルテレスコープをお勧めさせていただきました。

右上の前歯から奥歯まで、すでに神経の治療や被せ物がすでにされていたため、できる限り連結固定して全体に力を分散させるようにしました。

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もともと、歯が短く、スペースがほとんどない状態でしたが、どうにか工夫して歯を入れることができました。

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反対側の前歯は、天然の

歯なので、色を合わせるのが難しいのですが、昨今の入れ歯の材料は非常に進化しています。

セラミックと同じような質感を出すことができ、万が一のことがあっても修理が可能です。

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とても、可愛らしい患者様のお顔に、テレスコープ義歯は自然に溶け込んでいました。

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このように見ると、入れ歯であることはわからないと思います。

患者様も、「すごいですね!」と喜んでいただきました。

26歳という年齢は、まだまだとてもお若いです。

この歯をできる限り長く使っていただけるように、メンテナンスをさせていただきたいと思います☆彡



2017年12月25日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

今日は、奥歯を失ってしまった方の入れ歯の治療方法についてお伝えしたいと思います。

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奥歯を虫歯や歯周病で失ってしまうと、従来型の入れ歯(金具をかけるクラスプ義歯)ですと、前歯の裏側に金属のバーを通し、反対側まで金具をかけることになります。

舌感が悪く、滑舌も悪くなり、食べ物も詰まりやすいため、食事の度に洗わないと気持ちが悪いという患者様の声をよく耳にします。

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残っている歯に金具をかけると、入れ歯だということが周りからもわかってしまいます。 

奥歯を失ってしまった方は、沢山いらっしゃるのにも関わらず、その解決法が少なく、悩まされる症例でした。
 

近年インプラントが多用される様になりましたが、すべての症例にインプラントを適用する訳にもいきません。

●重篤な糖尿病や高血圧など、インプラント治療にリスクを有する全身疾患をお持ちの方 

●あるいは骨の量などの局所的制約でインプラントができないと言われた方、 

●インプラントが怖くてやりたくない方 

●取り外し式の入れ歯を望んでいるが、金属の留め金(クラスプ)のある従来型入れ歯が嫌な人 

●従来型の部分入れ歯より相対的にコンパクトな入れ歯をご希望な方

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そのような場合はリーゲルテレスコープを使用する事により解決する事ができます。 実際に患者様の感想をお聞きすると、取り外しができるブリッジを入れている感覚とおっしゃいます。

左右対称に噛む事ができる喜びを取り戻す事ができるため、顔の筋肉の変化に驚かされます。頬には赤みが差し、口角が上がり笑顔を取り戻すことができます。

実際に患者様から頂いたコメントもお伝え致します。

(装着して1ヶ月後の感想です。)


ゆりこ先生

私のリーゲルちゃん、ホントにホントにすばらしい!日に日に体の一部としてがんばってくれてます。先生、本当にありがとうございます。

治療してくださったことだけでなくて、先生が歯医者さんでいてくださってホントによかった。

〜中略〜

そして、肝心の(笑)、私の義歯リーゲルちゃん(リーゲルテレスコープ、 下の前歯は治療の必要等はなかったのでそれらを内冠でつなげ、支えにして、取り外しのできるブリッジのようにして、下全体の義歯を作っているかんじです。)
今1カ月と少しなのですが、日々体に馴染んできています。びっくりするくらいに。

最初の10日程は、違和感はあるけど痛みや噛めない等はほぼなく(初日からいきなり牛スジカレー食べました)、むしろブリッジの時より、全体的に噛めているかんじで、日々着実に美味しく食べれるようになってきてます 。
これからどんどん自分の体の一部になっていくのが楽しみです!

全文はこちらです(^_^)

びっくりするぐらい日々体に馴染んできています。

★☆・‥...-━━━━━━-...‥・・‥...-━━━━━━-...‥・☆★

当技工所顧問の稲葉繁先生の症例では、片側リーゲルテレスコープで30年経過症例をいくつも持っています。

私は歯科医師となり20年になりますが、その間沢山の片側リーゲルテレスコープを経験しましたが、すべて患者様の口腔内で機能していることから、大変優れた技術であると、改めて感激しています。



2017年7月21日

入れ歯先進国ドイツで開発されたリーゲルテレスコープは1948年、Tuebingen大学のDr.Strackと技工マイスターE.Schlaichによって、考案されました。

その後Dr.Strackの助手をしていたE.Koerber, M.Hofmannによって改良が加えられました。

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リーゲル(Riegel)とはドイツ語でかんぬきのこと。リーゲルテレスコープとは維持装置にかんぬき(鍵)を使った部分入れ歯です。 入れ歯の中に小さな鍵がかかるようになっていて、鍵をしめると舌でさわってもわからないようになっているので、ほとんど違和感がありません。 この鍵をひらくと(手で簡単にあけることができます)、すっと入れ歯を取り外すことができます。

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リーゲルテレスコープは内冠が連結固定してあります。

神経の治療をしてある歯が多い、また歯周病が進んでいる場合、しっかりと固定することで全体で1本1本の負担を分散させることができます。

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入れ歯であることを忘れてしまう付け心地 普段は入れ歯であることを忘れてしまうぐらい付け心地がよく、寝るときは歯磨きをして、入れ歯もあらって装着したままお休みになれます。

上顎の口蓋にシュパルテ床をつけることで、より強固となります。

このシュパルテの形は、ほとんどの患者様に違和感なくお使えいただけるすぐれた床です。

左右のひずみを、口蓋で吸収し反対側にゆがみを発生させないようなしくみとなっております。

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奥歯を支えにしていたブリッジが割れてしまった。

という事がきっかけで、インプラントか部分入れ歯で迷う方は相当数いらっしゃるのではないでしょうか?

初めての入れ歯という事で、ショックを受けられるのも当然です。

インプラントも選択肢の一つとなりますが、インプラント治療に不安がある方、全身疾患や骨が薄くてインプラントができない方にぜひご提案させていただきたい方法が、片側リーゲルテレスコープです。

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支える歯への負担も少なく、見た目も美しいため取り外しのできるブリッジの感覚で使っていただく事ができます。

金属のバネがついた部分入れ歯は、支える歯を横に揺らしてしまいますが、こちらのリーゲルテレスコープは、神経のある歯に適応されますが、歯軸の方向に力がかかる仕組みとなっているため、歯を揺らす事がなく長く患者様にお使いいただけます。

患者様のお口の中の状態により、リーゲルテレスコープの設計も変わりますので、IPSG認定歯科医院へご相談いただき、一番合った方法をご提案させていただきたいと思います。


2017年5月11日

こんにちは。

稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

先日、リーゲルテレスコープ治療後17年経過した患者様がメンテナンスにいらっしゃり、当時私が治療した方針が正しかったのだと嬉しく思ったのでご紹介させていただきたいと思います。

現在、患者様は香川県にお住まいで、1年に1度稲葉歯科医院にメンテナンスに来院、毎月地元の歯科医院でもメンテナンスを受けていらっしゃいます。

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平成12年に初診で来院、特に上顎ですが、全体的に歯周病が進んでいて歯もグラグラしていました。

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残念ながら、右上前歯、左側の奥歯はどうしても保存ができなかったため抜歯させていただきました。

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リーゲルテレスコープで内冠を連結し、外冠を製作して完成させました。

右上の2番を孤立させているのは、動揺があり、近い将来保存が難しいだろうと予測して離しておきました。

外冠で一次固定させています。

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こちらは、平成18年の時に写したレントゲン写真。

ほとんど変わりがありません。

リーゲルテレスコープは、内冠を連結することで強い固定効果があります。

驚く程の固定力があり、多少揺れている歯も保存することができます。

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こちらが、患者様の体の一部として機能しているリーゲルテレスコープ。

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咬合面観です。

現在は材料も進化し、咬合面も前装で白くすることができますが、当時はメタルで対応し、リーゲルレバーは、左の6番が将来危ないと思っていたので、鍵を前側に移しました。

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口腔内写真です。

歯肉も綺麗ですし、17年前よりもむしろ引き締まっているように感じます。

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平成29年のレントゲン写真。

心配していた、2番は意外にも大丈夫でしたが、左上の6番が破折しました。

痛みはないので抜歯を急ぐ必要はありませんが、患者様により長く使って頂くために、次回、床とシュパルテを増設修理をさせていただくことになりました。

患者様は

「高いなと思いながらも、退職金を使って歯に投資をしてよかった、あの時治療をしていなかったらすべての歯を失っていたと思う。」

とおっしゃっていました。

この歯と共に、最後まで人生を過ごしたいと思うので、由里子先生が提案してくれる修理方法があるのであれば、なんでもお願いしたいとでした。

17年前、私はまだ20代。

「先生、自信満々で薦めてくれましたよ!」

どこからそんな自信が湧いていたのかわかりませんが、若い私に投資をしてくださった患者様に感謝です(^_<)-☆

テレスコープシステムはこのように、修理をしながら長く使って頂く事ができます。

更に長く使って頂くために、これからも責任を持って見守っていきたいと思います。

2017年1月20日

インドネシア、バリに在住の患者様から大変見事な木彫りの彫刻をいただきました。

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稲葉歯科医院 INABA DENTAL OFFICE

と入れてくださり、本当に素晴らしい!

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バリの神様、ボマ(BOMA)

バリの建物の入り口、お店の入り口などによく飾られるというわれる守護神なのだそうです。

よく見ると、なんだか可愛らしい。

数年前より、歯の相談にいらしていて、この度数回に渡り、バリから通ってくださる事になりました。

私も精一杯、ご期待に答えたいと思います。

3日間、3回の来院で、形成から印象まで集中して行いました。

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マールブルグ大学歯学部の補綴科Prof.Leaman が開発された、コレクトアプトドゥルック法にて印象を行ったところです。

日本では、ほとんど認知されていない方法ですが、印象材が歯頸部周囲に掘った溝を伝い、均等の圧力が印象面に注入され、歯頸部まで正確に記録でき、ほとんど失敗がない大変優れた印象法です。

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下顎はセラミックのブリッジ。

寒天を固めてアルジネートで印象しました。

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今回のポイントとしては。

すべて失活歯のため、リーゲルレバーのかかる支台歯が割れる可能性があることです。

左上2番は短くカット、更に遠心に向かって斜めに形成し、できるだけ重心を下に行かせるようにしました。

キャップをし、この上にシュレーダゲシーベを乗せる形となります。

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今回、上顎すべての歯が失活歯ということで、通常用いられるリーゲルテレスコープのゴールドの重みに耐えられないと判断したので、コバルトクロムで製作をしようと思います。

コバルトクロムのリーゲルテレスコープは、生体安定性も高い事からドイツでは大変多く行われています。

コバルトクロムのケースは始めてなので、非常に楽しみですし、コバルトクロムの強度、軽さに期待したいと思います♪

技工は、京王歯研の、小林さんにお願いしました。

ベテランで、大変技術力が高く、患者様のために一生懸命製作してくださる歯科技工士さんです。

本当に楽しみです(^_<)-☆



2016年6月30日

入れ歯先進国ドイツで開発されたリーゲルテレスコープ。

当院顧問の稲葉繁先生が客員教授としてチュービンゲン大学に留学をした際に、ケルバー教授から直接学んだ方法です。

当時、リーゲルテレスコープの複雑な技工をすべて覚え、日本に持ち帰り、技工士に伝えました。

▼テレスコープシステムの歴史

テレスコープシステムは1880年にR.W.Starrによってブリッジの支台装置として用いられています。その後、1889年にPeesoによってテレスコープを使用したブリッジや、スプリットピン・アンド・チューブアタッチメントを使用した可撤性ブリッジが考案されているので、現在までテレスコープシステムの歴史は、130年になろうとしています。

その間多くの先駆者達によって、より良い補綴法を追究して各種の維持装置が研究開発されてきました。

現在のようなテレスコープシステムによる維持方法は1929年HaeuplとReichborn-kjennerudにより発表されました。

▼リーゲルテレスコープの歴史

リーゲルテレスコープは1948年、Tuebingen大学のDr.Strackと技工マイスターE.Schlaichによって、考案。

その後Dr.Strackの助手をしていたE.Koerber, M.Hofmannによって改良が加えられました。

現在用いられているリーゲルテレスコープは回転リーゲルと旋回リーゲルとがあります。

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テレスコープシステムの中でも特にドイツ的で精密さが要求され、マイスター試験に必ず出題されるリーゲルテレスコープのご紹介をさせていただきたいと思います。

回転リーゲルに使用する道具が手に入らないため旋回リーゲルが国内では主となっています。

リーゲル(Riegel)とはドイツ語で閂(カンヌキ)のことであり、これを維持装置として用いています。

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リーゲルテレスコープを構成する内冠です。

ご覧の通り、内冠で一次固定を行います。

方向性もありますので、2ブロックに分けることもできます。

失活歯が多い症例、また歯周病が進んでいる症例において、一次固定を行う事により、全体で支え、1本1本の負担を分散させることができます。

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2次固定として、リーゲルの外冠をリーゲルレバーでしっかりと固定します。

着脱は患者様自身が行いますが、旋回リーゲルに爪の先を引っかけ、レバーを回すと何ら抵抗なく義歯を外すことができます。

口蓋にシュパルテ床をつけることで、より強固となります。

このシュパルテの形は、ほとんどの患者様に違和感なくお使えいただけるすぐれた床です。

左右のひずみを、口蓋で吸収し反対側にゆがみを発生させないようなしくみとなっております。

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片側遊離端症例。

一般に日本ではコーヌスクローネを使用する事が殆どでしたが、コーヌスクローネの場合にはその性格状一次固定であり、支台歯は連結する事はなく離れているため様々なトラブルに遭遇します。

その代表的なトラブルは歯根破折です。

この原因は歯根膜の沈み込みと粘膜の沈み込みの量の違いによるもので、遊離離義歯では必ず沈み込みがあります。

例えば、第2小臼歯、第1、第2大臼歯の3歯欠損の場合に義歯の最遠端の沈み込みは咬合時に0.35ミリ(350ミクロン)程度の沈み込みがあると、元エアランゲン大学のM.Hofmann教授は述べています。(テレスコープシステムで治療した場合の沈み込みです)

このような現象はコーヌスクローネの場合、支台歯が離れている場合には第1小臼歯のみに負荷が掛かるため、歯根破折などのトラブルに遭遇します。

従って、支台歯を一次固定できるリーゲルテレスコープが適しています。

2歯欠損の場合には支台歯として、第1小臼歯、第2小臼歯を支台歯として使い、さらに遠心にシュレーダーゲシーベ(Schroeder geschiebe)というアタッチメントをつける事により、義歯に加わる咬合力に対し、支点を遠心に移行させ、沈み込みを防止する事ができます。

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リーゲルテレスコープは、細やかな技工操作を必要としているため、熟練した技工技術が必要となります。

Weber dental laborでは、IPSGのテレスコープ実習を受講してくださった先生方のサポートをさせていただきたいと思います。

受講したけれど、いざはじめようとしても手順がわからない。

設計が果たして正しいのかどうか不安。

という先生方がスムーズに診療を進めていけるように、細かなアドバイスもさせていただきますのでどうぞご安心ください。

ご質問なども承りますので、遠慮なくお問い合わせください。





2012年1月28日

当院、顧問の稲葉繁先生が、ドイツから日本にリーゲルテレスコープを紹介してから30年以上たちます。
今回は、リーゲルテレスコープの歴史的誕生について、稲葉先生とのエピソード、症例などを交えてお伝えしていきたいと思います。

当時稲葉先生は、QDTという歯科技工雑誌の別冊として、『現在のテレスコープ・システム』という本を出版しました。

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今、この本を読み直すと、素晴らしいことが沢山書かれています。
歴史を勉強することで得る知識は大きいです。
私も勉強をしながら、皆様に沢山のことをお伝えできれば幸いに思います。

下記の内容は、私が父である稲葉繁にリーゲルテレスコープの歴史についてインタビューした内容をまとめたものです☆♪

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

1978年、当時私(稲葉繁)がドイツに滞在した経験では、渡欧する前に持っていたドイツに関する知識と、実際生活してみて自分で経験したこととの差が大きいことに改めて気づきました。

歯科医療に関し、保険制度の整備がよく行われて、患者様優先、学問優先の考え方が実行され、日本ではとても健康保険ではできないような貴金属を使用したテレスコープ・システムが盛んにおこなわれていました。

テレスコープの種類も多く、適材適所に様々なタイプのテレスコープが用いられ、学生実習においても基礎課程の模型実習で教育され、実際の患者様においても日常茶飯事に用いられ、驚いた経験があります。

現在日本では、コーヌスクローネだけが知られていますが、ドイツにおいては各種のテレスコープが使用され、それぞれの特徴がいかされつつ広まっているのが現状です。

貴金属を使用したテレスコープ・システムがドイツで好んで行われる理由には、ドイツの製品はあらゆるものが丈夫で長持ちするようにできているということがあげられます。

1つの物をつくろうとしたとき、種々の方向から検討され、最善の方法がとられることがつねです。


テレスコープシステムは、その代表です。


古くはすでに1886年にR.W.Starrがブリッジの装置として、また1889年にPecsoによってテレスコープを使用したブリッジが考案されているので、現在までにテレスコープの歴史は120年以上ということになります。


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その間、多くの先駆者たちによって、よりよい方法が追求され、研究開発が行われてきました。

現在のような精密なテレスコープ・システムの方法は、1929年にHäuplとReich-born-Kjenerudによって発表されています。

そして、その後長い間改良されてきて、さまざまな欠点を補う方法として、1968年にK.H.Körberが、フライブルグ大学に在籍していたときにKonuskrone(コーヌスクローネ)と名付け10年間の成果を発表しました。

ドイツにはもう一人、同名のKörber教授がいました。
Prof.E.Körberです。

E.Körber教授は、チュービンゲン大学の補綴学教室の主任教授でとして知られ、彼が、テレスコープ・クラウンの大家でありました。
私は彼のもとへ客員教授として招かれ、様々なことを体験する機会を得ました。

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テレスコープ・システムは創立以来500年以上の歴史あるチュービンゲン大学独特の手法であったため、当時、私もドイツ国内に新しく開発した、テレスコープ・テクニックを紹介するため、バスを連ね、旅行鞄に一杯の義歯を入れて研修指導に行った思い出があります。

◆リーゲルテレスコープとの出逢い

ある時、医局旅行があり、南ドイツのあるお城へバスで行きました。


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お城の城主がKörber教授の患者様だったからです。

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そして、その時、お城の城主の口の中にリーゲルテレスコープを応用した、全顎の可撤性ブリッジが装着されてるということをはじめて聞きました。
なんと、それが20年間使われていると聞き、そのような素晴らしい方法はどのような方法なのだろう。
ぜひやってみたい!と思いました。

医局旅行から帰ってきて、早速Körber教授から城主のリーゲルテレスコープのスライドを見せてもらいました。
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こちらが、城主の治療前のお口の中の写真です。

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こちらは、治療後。

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8本の歯を利用した、ブリッジタイプのリーゲルテレスコープです。

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当時のKörber教授の20年症例です。

その製作方法は非常に複雑で、まったくわからないような構造でしたが、絶対自分のものにしたいと思い、ぜひ、やらせてほしいとKörber教授に頼みました。

リーゲルテレスコープの発案は、Dr.Strackと、技工マイスターのE.Shlaichによるものであったと、その後、Körber教授から聞きました。

それを改良して世に出したのがKörber教授ということです。

というわけで私は、ドイツではじめて実際の患者様を2例、全顎の症例を治療させていただきました。

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こちらの患者様です。

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型取りをしているところです。

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噛み合わせの器械につけて、ワックスで形を作り、診断をしたり、仮の歯を作ります。

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リーゲルのレバーがかかる部分です。

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下のリーゲルテレスコープの途中経過。

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そして、完成です。

ドイツで、35年前、Körber教授の指導の下、初めてのリーゲルテレスコープ症例を 行った私の思い出の症例です。

その後、日本に紹介させていただき、30年以上経過しましたが、私は、当時Körber教授20年症例をいつのまにか超える結果をだすことができました。

あの時、ドイツへ渡欧していなかったら、今の私はなかったと思っています。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

ということで、次回は、レジリエンツテレスコープの歴史についてお伝えさせていただきます☆

 

 

 






2010年2月25日

当医院では、諸外国の中でも入れ歯においてもっともすすんでいるとされるドイツの入れ歯(リーゲルテレスコープ)をとりいれていますが、これは、費用はかかっても質の高い長持ちのする治療を受けるドイツ人の考えから生まれたものです。

日本では保険の入れ歯の調子が悪ければ、半年毎に取り換えることが可能です。

患者さんの中にはビニール袋の中にたくさんの入れ歯を入れてきて、どれも合わないと訴える方がいらっしゃいます。

これらの入れ歯を一つにまとめ、良質で高度な技術と材料を使用することができれば、高齢者となったとき、歯を失わず快適で豊かな食生活をおくることが可能です。

(ドイツでは、最低3年間は耐用年数と考えられていて、万が一紛失した場合は、全額患者さんの負担になります。)

当医院の顧問、稲葉繁先生がはじめてドイツからリーゲルテレスコープを紹介してから30年近くなりますが、当時治療した患者さんの入れ歯が30年たった今もしっかり使われていることをみても、ドイツ人の入れ歯の技術はすごいな、と関心します。

(現在も定期的に歯科医師、歯科技工士を対象にリーゲルテレスコープの研修会をひらいています。詳しくは、IPSG事務局にお問い合わせください)

リーゲルテレスコープは、全部歯を喪失している総入れ歯の方にではなく、上下の歯が数本残っている方に適応されます。

日本の部分入れ歯はクラスプというバネを残っている歯にかけるものがほとんどです。

歯は噛む力の方向には強いのですが、横にかかる力にたいしては非常に弱いです。

クラスプは歯にばねをかけて横に揺らしてしまいます。そのため歯がゆるみ、歯槽膿漏と同じような症状でぬけてしまうことが多いです。(病院によっては、歯槽膿漏と診断されることもあります。)

リーゲルテレスコープは残っている歯、すべてを固定し強くして歯を横に揺らさないようにすることができるため、残っている歯を利用し長持ちさせることが可能です。

現在、歯を失った方に対してインプラントが主流で、当医院でも、骨がしっかりしていて条件がそろっていればまず、インプラントをおすすめしますが、なかにはインプラントで対応できない事がいっぱいあります。

骨がうすい、残っている歯がぐらぐらしている、欠損している歯がたくさんある、など。中にはインプラントが嫌だという方もいらっしゃいます。

そういう方にはリーゲルテレスコープをおすすめします。

もうひとつリーゲルテレスコープの優れているところは、修理ができることです。

長い間には中が虫歯になったり、歯が割れてしまってどうしても抜歯をしなくてはいけないこともでてきます。

その時、また入れ歯をすべて作りなおすのではなく、簡単な修理でもとの入れ歯を使うことができます。

もちろん、最初にリーゲルテレスコープを作るとき、技工士と設計をするのですが、弱い歯に対しては、抜けることを想定しておいて、修理ができるようにしておきます。

弱い歯はリーゲルテレスコープでできるだけ持たせて守ってあげるという考えです。

また、保険の入れ歯は人が見て、入れ歯であることがすぐにわかります。(特に私たち歯科医師は)

リーゲルテレスコープは見えるところに金属色を使わないようにすることができるので、入れ歯であることがほかの人から気がつかれません。

 

それでは、ばねもなくどのように入れ歯がしっかり固定されているかというと、

リーゲル(Riegel)とはドイツ語で閂(カンヌキ )のことで、これを維持装置に使っています。

入れ歯の中に小さな鍵がかかるようになっています。

これは、鍵をしめると舌でさわってもわからないようになっているのでほとんど違和感がありません。

この鍵をひらくと(手で簡単にあけることができます)、すっと入れ歯を取り外すことができます。

普段は入れ歯であることを忘れてしまうぐらいです。

もちろん、寝るときは、歯磨きをして、入れ歯もあらって装着したままお休みになれます。

(寝ているときに間違えて飲んでしまうなんてことが絶対ないからです。)

自分の歯が一番大事ですが、もしも残念ながら歯を失ってしまった場合、このような治療方法がありますのでどうぞどのような治療方法がご自分にとって最善か 歯科医師と相談することが大事だと思います。

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上の写真はリーゲルテレスコープ義歯。鍵をひらいたところです。しめるとしっかり歯が固定されます。

下の写真はセラミックのブリッジとインプラントをいれました。

リーゲルテレスコープ
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稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子 顧問 稲葉繁

稲葉歯科医院
院長 稲葉由里子

昭和44年に父、稲葉繁(現・顧問)が文京区伝通院で稲葉歯科医院を開業、平成11年に場所を移して秋葉原で新しく開業しました。

「入れ歯が合わず、食べたいものが食べられない」
「口を開けると金属のバネが見えるのがいやだ」
「うまく発音できないので、しゃべるのがおっくう・・・」

このような入れ歯のお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。

当院では、入れ歯の本場ドイツで直接学んだ技術を活かし、つけていることを忘れるくらい、自分の歯のように何でも噛めて、笑顔に自信がもてる入れ歯を作っております。

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