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頭痛・腰痛も起きる歯の病気「咬合病」

この記事は、1982年6月号の家庭画報に掲載された対談です。

当院顧問、稲葉繁先生が、日本歯科大学第2講座助教授時代に「専門医への質問状」というコーナーで答えたものです。

まだ「顎関節症」という言葉がなく、「咬合病」と呼ばれていました。

稲葉先生はそのころから「かみ合わせ」について研究してきました。

1982年当時、記事の中で稲葉先生は

 

「咬合病時代が新しい分野ですからね。ここ10年なんですよ、やっと研究が始まったのですが。歯科医のなかでもわからない人もいます。その辺は今後の医学に期待してください。」

と話をしています。

その後、顎関節症の勉強をするためにドイツに留学しシュルテ教授のもとで学びました。

今後の医学に期待の言葉通り、顎関節症で悩んでいるたくさんの患者様を治し、現在に至っています。

その1982年の記事は現在の顎関節症の悩みに答えたものです。

ぜひ、読んでみてください。

 

「専門医への質問状」

頭痛・腰痛も起きる歯の病気「咬合病」

 

頭痛、首筋のはり、腰痛などに悩むあなた。

ひょっとして歯のかみ合わせが悪いのでは・・・・。

物を噛むというのは顎を上下、左右、前後に微妙に動かす動作。

ちょっとバランスがくずれると、全身のあちこちにさまざまな症状が現れることがあるといいます。

今月は、今注目されつつある「咬合病」です。

 

◆悪いかみ合わせで歩き方までかわることが

 

肩こりや頭痛などの不定愁訴の原因に、かみ合わせの問題があるとうかがいましたが・・・・。

 

「ええ。私たちは咬合病」と呼んでいます。歯が物を噛む時には、上下だけでなく左右前後に微妙に顎が動いているんです。ところが、歯のかみ合わせが悪いと、顎に加わる力のバランスがくずれてしまいます。それで、歯やこれを支える歯槽骨、筋肉、顎関節、その周囲の組織、器官、神経、血管などに異常が起こるわけです。それが原因で、全身にさまざまな症状が現れるのが咬合病です。」

どのような症状があるのでしょう。

「思いもかけない痛みの原因になっています。歯痛や顎関節の痛み、口が開きにくいなどという症状は安易に想像がつくと思います。ところが、鼻の周囲がつる、耳の後ろの筋肉や首筋がはる、さきほどご指摘の頭痛、肩こり、手のしびれ、舌のヒリヒリした痛み、灼熱感、それに腰痛まで起こることもあります。」

 

顎の関節のゆがみが、どうして腰痛まで起こるのですか。

 

「簡単にいいますと、頭の位置の問題なんです。人間の頭は、肩から垂直に立っているでしょう。これをバランスよく支えているのは、脊柱です。ちょうどサクランボを逆さにしたような形ですね。それが、顎関節のバランスがくずれると、筋肉や力の不均衡などによって頭まで傾斜してしまうんです。で、これを脊柱が頑張ってもとに戻そうとする。すると脊柱が変形するというわけです。 腰痛だけでなく、歩き方まで変わるのですよ、背骨が曲がって」

 

◆かみ合わせが原因とはわかりにくい。

 

すると、症状から原因を判断するのは、なかなかむずかしいのでは・・・・

 

「そうなんですよ。ちょうど、内科と歯科の境目にある病気なんですね。ですから、歯科に行きあたるまでが、たいへんむずかしい。腰痛で歯科医を訪れる人は、まずないでしょう。 私のところに来る患者さんも、ほとんど、整形外科や耳鼻科、内科を回ってきた人たちです。なかには、人間ドックにまで入って検査を受けたけれどわからなかったという人もいます。  これが、また病気の精神面と大きく関係してるんですよ」

 

というと、心身症とも関係があるのでしょうか。

 

「そのとおりです。咬合病の患者さんには精神的に不安定な人が非常に多い。CMIという健康調査を行うと、憂鬱、希望がない、自殺したい、怒りやすいなどという結果が出る人がほとんどです。  そのうえ、さきほど申し上げたように痛みの原因がわからないでしょう。ノイローゼぎみになってしまうんです。これはガンじゃないか、何か悪い病気の兆候じゃないかと、一人でクヨクヨ思い悩んでしまうんです。それでますます精神状態が悪くなるのです」

 

精神的な問題が咬合病を引き起こす引き金になると・・・・。

 

「いえ、それはニワトリと卵のようなもので、どちらが先とも言えません。 しかし、私の考えでは、病気によって心のゆがみも起こるのではないかと思います。歯のかみ合わせを治して症状がよくなると、精神状態もよくなりますから。 それから、原因不明の痛みに対する恐怖感ですね。ある奥さんは、舌がヒリヒリ痛むのでお医者さんに行ったのですが、原因不明。それで舌ガンではないかと夜も眠れないほど悩んでいたのです。

ところが、私のところで咬合病だとわかったとたん、気分がすっきりしたと言っていました。こういう人はとても多いのです。患者さん自身がまるで歯科に対する知識がないでしょう。説明だけで、たいてい晴れやかになるんですね」

 

◆20歳前後と50歳前後の女性に多い

 

内科や整形外科では診断できないのですか。

 

「咬合病自体が新しい分野ですからね。ここ10年なんですよ、やっと研究が始まったのが。ですから歯科医のなかでもわからない人もいます。その辺は今後の医学に期待してください」

 

では、自分で咬合病かどうか、判断する方法はありますか。

 

「あります。歯のかみ合わせが悪くなる原因は、悪い歯並びや歯の高さの違いにあります。つまり、抜けたまま放置しておいて歯並びが悪くなったとか、親知らずだけ背が高い、あるいは治療のしかたが悪くて、歯の高さが狂うとか。かみ合わせたときにどこかが他の歯より早くあたってしまうのが原因です。  ということは、その部分の歯があたらなければ、咬合病の症状も出てこないということです。 ですから、一週間ぐらい大豆大の綿を唾液で濡らして歯の上に置いておくのです。それで症状がよくなれば咬合病ですね。 それから、咬合病は20歳前後と50歳前後の女性に多いんです。50歳前後の人はちょうど更年期と重なりますから、更年期障害と間違えないことですね」

 

家庭でも治療できますか。

 

「重症なものは無理です。根本的にかみ合わせを治さないと。 けれど、顎関節がズレている人、つまり潜在的な咬合病の人は非常に多いんです。こういう人は、まず真っ直ぐあお向けに寝ること、硬いものや大きいものを食べないこと、頭が水平になるように低い枕を使うことです。歯ぎしりをする人は特に要注意ですね。  それから、治療というのは、医者と患者が半分ずつ責任を負うことです。私たちも心身両面から治療をしますから、患者さんの方も協力していただかないと」

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